いまやすっかり当たり前になったネット通販は、日用雑貨から各地の名産品まで何でもある。多くは安売りが魅力なのだが、その間隙をついて「偽サイト」が横行しているという。どうやら中国方面が主らしいが、見分けるカギは「怪しい日本語」なのだという。
日本のネット通販会社HPそっくり…店長の顔写真も盗用して貼り付け
京都に住む20代の男性は9月(2013年)、イタリア製のブーツを扱うサイトを見つけた。定価5万4600円が56%オフの2万4000円だった。注文するとこんなメールが来た。「最速の配達方法を確認するために物流部門を聞いてきます。商品は月曜日に到着することを確認します。心配しないでください」
ちょっと変だなと思いながらも、指定の銀行に振り込んだ。名義人は「中国人だったと思う」。品物が届かないので催促のメールを送ると、こんな返事が返ってきた。「もうご入金しましたか? もしご入金したら、入金する用名前を教えてください。どうぞよろしくお願いいたします」
1週間後にまたメール。「あなたの商品は、他の工場から得ている。これはいくつかの時間をとる。ご注文は発送されています」。しかし、届いたのはまったく別のブーツで、箱もボロボロだ。「ニセモノもここまで違うと笑ってしまいましたね」。業者との連絡もつかなくなった。
偽通販サイトの被害は急増している。消費者庁によると、昨年度1年間で933件だった相談件数が、今年は半年間(4月から)で1169件。ニセモノが届いたというのが最も多く、次がいつまでたっても届かないというヤツだ。
有名ブランドのバッグを扱う大阪の会社では、自社のホームページそっくりの偽サイトに頭を抱えていた。「この1、2か月の間に被害が急増して、問い合わせも増えた」という。
ページを比べるとほぼ同じ作り、電話番号もそのまま、商品の写真ばかりか、店長の顔写真も同じだった。違うのは商品の値段で、本物は1万9800円だが、ニセモノは7950円となっている。会社では「ブランドもので90%オフなんてありえない。安すぎるものはおかしいと考えていただきたい」という。