宮城県・仙台中央警察署で傷害容疑の取り調べ中に逃走したドイツ国籍のシューツ・ペトロ・ウラジミロビッチ容疑者が14日夕(2013年11月)、塩釜警察署七ヶ浜交番に出頭してきた。逃走から27時間たっていて、最初につぶやいたのは「オナカスイタ、サムイ」だった。
「無料デー教えてくれなかった」ホテル従業員とトラブル
3400人体制の大捜査網を敷き、町の防災無線で「安心して出てきなさい」とドイツ語で呼びかけるなど大掛かりな捜索となったのは、警察の落ち度で2次犯罪だけは防止したいという気持なのだろうが、ではどんな犯罪者だったのか。泊まった仙台市内のビジネスホテルが開催していた「無料ラーメン提供デー」を教えてくれなかったことに怒って従業員2人を殴ったのだという。
自称・大学生というから金のない貧乏旅行で、よほど腹が減っていたのだろう。言葉の壁もあって伝わらなかったのか、怒る気持は分かるが殴るほどの事ではなかった。
Tシャツで逃げて出頭時はスーツに野球用スパイク
ウラジミロビッチは逃走中にたびたび着る物を変えているのだが、そこに東北人の善意が見えてきた。逃走時は白のTシャツに白のジャージのズボン、裸足という格好だったが、最初にスリッパの提供を受け、続いて青シャツ、茶のジャケット、マフラーともらい、出頭時は上下のスーツに野球用のスパイクを履いていた。
キャスターの小倉智昭「最初は新聞にも載らないような小さな事件だったのに、逃走したばっかりに全国に指名手配され罪も重くなってしまった。気の毒といえば気の毒ですね」
ラーメン1杯からとんだことになってしまったと、一番驚いているのは本人だろうな。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト