24億円横領の坂本芳信容疑者(56)がきょう14日(2013年11月)早朝、タイから成田空港に着き、長野県警は機内で業務上横領容疑で逮捕した。タイを出国するとき約30人の日本の報道陣が待ち構えたが、質問には答えなかった。
坂本は2005~10年のあいだ長野県建設業厚生年金基金の事務長だったが、掛け金に23億8700万円の使途不明金が発覚し、 10年9月にタイに逃亡した。今回の逮捕容疑は6400万円の横領(国際手配)だが、今後は当然24億円もの金がどこへ消えたのかが焦点になる。
けさ成田で逮捕!使いきれない大金どこに消えた?
坂本は今月1日(2013年11月)、バンコク市内のアパートに潜伏しているところを、旅券失効による不法滞在でタイ警察に逮捕された。1人暮らしだったが、最後は月8000円のアパート代も払えない状態で、交際していた現地女性が警察に通報した。出国前に面会した女性に坂本は「何もしてあげられなくてゴメン」といって泣いていたという。
羽振りがよかった08年頃には再三タイを訪れ、かつて交際していた別の女性によると、常にブランドものに身をかため、一流ホテル に滞在して、女性には100万円もするロレックスの時計を贈ったりしていたという。日本から逃げてきた後は、そのつてでバンコクに潜んだが、そのころは所持金は400万円だったと女性は証言している。
日本と違い、タイでは逮捕後も報道陣の取材が可能だが、坂本は終始言葉少なで、金の使途については「日本へ帰ってから」「生きていたくなかった」などと語っていた。送還された機に同乗したSBC信越放送の中村育子記者によると、坂本は最後尾の座席の窓側に座り、警察庁職員にガードされて、言葉を発することもなかったという。
今後の焦点は24億円近くの金額をどのように横領したのか、なにに使ったのか使だが、年金基金の積立金の穴は埋めようがない。こちらは深刻だ。北川正恭(早稲田大学大学院教授)は「厚生年金でなんでこんなずさんなことができたのか」という。リーマンショック後、年金の運用で穴が開いた例はいくつも明らかになっているが、この基金もその可能性はあり、坂本がこれに乗じて使い込んだ可能性もある。
「言葉もていねいだし礼儀正しく、ボンボンか2代目というイメージだった」
坂本の金の使い道では、思わぬ証人が現れた。元サッカー日本代表選手で、いまはビーチサッカー日本代表監督のラモス瑠偉だ。ラモスは「この人に間違いない」という。5年ほど前に知人の紹介で知り合い、銀座や六本木で食事や飲み歩きを繰り返したという。支払いはすべて坂本だった。「言葉もていねいだし礼儀正しく、ボンボンか2代目というイメージだった」「1回ハワイへ招待された行ったことがある。なぜハワイなのかわからないが、寿司の職人まで連れて行って…」「凄いお金持ってる。何やっている社長なのかと思った」という。
司会の井上貴博アナ「すさまじい金の使い方ですね」
金井辰樹(東京新聞政治部長)「長野の人たちがなぜ気づかなかったのかと思ってしまいます」
荻野アンナ(作家)「ラモスさんの話などで使える金額じゃない」
結局話はそこへいく。