20年間も国税の納税キャンペーンに携わりながら税金の申告漏れが発覚し、10か月以上も沈黙していたタレントの板東英二(73)が10日(2013年11月)、涙を滲ませながら「仕事をさせてくれ」と訴えた。
謝罪会見で最初に明らかにした申告漏れの原因について、納税に対する自分の無知をあげながら、「板東個人の銀行通帳も事務所の通帳も出金もすべて一人の女性がやっていて、公私混同というか、ドンブリ勘定のような状況でした」と経理担当の女性に問題があったかのようは弁明だった。
架空発注による「悪質所得隠し」という指摘
板東事務所の7500万円の申告漏れのうち、約5000万円は取引先への架空外注費など悪質な所得隠しという報道に対しては、これを否定して「かつらが経費で落ちると聞いていたので、20年以上にわたって続けてきた植毛も経費で落ちると思っていたのが認められなかった」と話した。
小倉智昭キャスター「植毛に7000万円もかかったようなことを言っていましたが…」
芸能デスクの前田忠明「植毛はごくごく一部。7500万円は7年間にわたって所得を隠し、個人で申告する部分を法人で申告してしまった部分もあるのではないかと思いますね」
今後の仕事について記者から質問されると、板東は涙を浮かべてこう話した。「軽くすべてがどうこうなるなんて毛頭思っておりません。私は仕事以外に取りえのない男ですので、もしお許しいただけるのであれば、これからも仕事を一生懸命させていただきたい。いま一度仕事をいただくチャンスをください」
国税の納税キャンペーン・キャラだっただけに責任重い
73歳になって土下座でもしかねないような釈明だったが、なぜもっと早く出てきて釈明しなかったのか。コメンテーターの夏目剛(慶大客員教授)は「府に落ちない点が幾つかあるが、国税の顔になっていたことが大きかったのかなと思いますね。なるたけ早く説明するのが大事なのに、11か月も放って置いたといのが、所得隠し以上に大きな意味を持っちゃいましたね」という。
一つ気になったのは、ナレーターが「悪質な所得隠しだった」と言っているのに、笠井信輔アナが「悪質な所得隠しはなかったようです」とコメントしたことだ。単純な申告漏れと所得隠しは違う。