観測史上最大級という台風30号が先週8日(2013年11月)、フィリピンのレイテ島、サマール島を襲い、竜巻のような強風と津波のような高潮で、島は壊滅的な被害を受け、死者は1万人以上と見られている。
映像が凄まじい。窓ガラスが破れて強風が吹き抜ける。船員だろうか、港では救命胴衣を付けた人たちが波に浮かんでいる。高潮で水没した町の中を人々が必死に逃げていく、びしょぬれで泣いている子ども達…。
津波のような高潮と風速90メートル
上空から撮影した映像を見ると、平坦で大きな川もなく、洪水なんか無縁の島が、3、4メートルの津波のような高潮でほぼ水没した。台風が通った跡はがれきの山だった。撮影したセブ島のパイロットの石田武司さんは「(東日本大震災の)仙台みたいだった」という。
中心気圧が一時895ヘクトパスカル、最大瞬間風速90メートルという今年発生した台風で最大だった。フィリピン国家災害対策本部によると約950万人が被災した。赤十字は死者が1200人以上になると見るが、レイテ警察は1万人と推定している。
レイテには日本人約100人が在住しており、日本大使館には今のところ被害の情報はないが、連絡のとれない人がいるという。現地の状況はなお十分把握できておらず、一部で食料の掠奪など治安の悪化も伝えられている。
日本も影響「ドカ雪と木枯らし」で12月並み寒さ
台風30号はフィリピン諸島の真ん真ん中を西北西に横断した。ルートの北側になったレイテなどの被害が大きい一方で、南側になったセブ島などは少なかったという。気象予報士の森朗は、北部ルソン島には台風がくるが南には珍しいという。30号は中国へ上陸したが、フィリピン東方には次の台風ができかかっている。
日本列島もきのうは荒れ模様だったが、これも台風と関連する。台風のもたらす暖気が中国あたりで偏西風を押し上げると、日本列島には寒気が下りてくるので、日本海側に雪、太平洋側は木枯らしで、12月並みの低温になる。
司会の井上貴博アナ「異常気象が世界規模で起っているような…」
柿崎明二(共同通信編集委員)「3.11も想定外だったが、これも当てはまる。政府も国民も想定外を想定して対応していくしかないんでしょうね」
井上「東日本大震災の時にはフィリピンもチームがきている。今度は日本の番でしょうね」