「山本太郎」福島からも総スカン!パフォーマンス好きなら原発被害地に住んで国会通え

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<「そもそも山本さん(太郎=筆者注)は福島県に住んでいる人の立場で考えていないだろうと感じていました。福島県民で彼の政治活動に期待する人はあまりないと思います。彼の発言の多くは起こりうる最悪の想定をもとに繰り返されるわけですが、最悪の可能性を基準にしては、福島県には住んでいられないということが理解できていない。私は、皇室がこれまで放射能について言及してこなかったことに非常にありがたさを感じています。天皇陛下は、震災後の夏、いつも通りに那須の御用邸に避暑に行かれ、いつも通りに御料牧場で取れた野菜、鶏、豚、羊を召し上がりました。一方、御用邸や皇居の放射能数値が公表されることはない。山本氏は、国民に心配をかけさせまいという陛下の気持ちを察することができない人物なのでしょう」>

   これは山本太郎参議院議員が10月30日(2013年)に赤坂御苑で開かれた園遊会で、天皇に手紙を渡したことについて、『週刊文春』で大震災以来福島県三春町で避難民の受け入れを行っている作家で僧侶の玄侑宗久氏の言葉である。

   この『事件』に対する週刊誌の書き方は、みのもんた攻撃と同じように厳しいものがほとんどである。週刊文春は「手紙テロ」という表現を使い、『週刊新潮』は「軽挙妄動のパフォーマンス、浅知恵に基づいた詭弁、有権者を欺くペテン、思考停止の風評妄信、そして大いなる無知」この五拍子揃ったのが山本氏だと酷評している。

   週刊文春によれば、その日の秋晴れの下、約1800人の出席者は穏やかに談笑しながら、天皇皇后や皇族のご到着を待っていたという。その中に、明らかに周囲から浮いている山本太郎参議院議員がいた。皇族の到着直前、蝶ネクタイ姿の山本議員は宮内庁担当記者が集まる取材エリアのすぐ近くまでやってきた。そこには巨人軍の長嶋茂雄氏やプロスキーヤーの三浦雄一郎氏ら著名な招待客が並ぶいわばVIP席だった。

   山本議員は長嶋さんから3、4人挟んだあたりに割り込もうとしたが、入り込めるようなスペースがなく、少しはみ出す状態になっていたのを宮内庁の職員が認め「他の場所へお願いします」といって移動させた。それから数分後、天皇皇后が到着され、式部官長に先導されながら会場を歩き始められた。そして、山本議員の前を天皇が横切ろうとした時、「実は、お持ちしたものがありまして」と山本議員が手紙を差し出したのだ。戸惑われたような表情の天皇は、その言葉に何度か頷かれ、そして侍従長に手紙を託し、軽く会釈をされてから再び歩み始められた。

   <巻紙に筆で書かれた手紙は〈不躾にもお手紙を陛下にお渡しする無礼、お許しください〉と始まり、福島の子供たちの健康被害や原発作業員の健康管理がなされていない実情を訴える内容だった>(週刊文春)という。

   内容はともかくとして、こうした行為は、先週も書いたが、山本議員の憲法違反行為で辞職に値するといわざるを得ない。即位の際、憲法を遵守すると宣言した天皇が一番当惑しているであろう。議員は天皇に直訴するのではなく、国会で堂々と意見を述べ、安倍首相を追い詰めるべきである。これでは憲法軽視、議会制民主主義軽視といわれても致し方ないと私は考える。

   山本議員は辞職せずといっているようだが、それならばパフォーマンスばかりを先行させるやり方ではなく、福島に住み着いて、そこから国会へ通うぐらいのパフォーマンスをするべきである。

安倍首相よ、特定機密保護法よりやることあるんじゃないか!?官邸内の会話アメリカに筒抜け

   安倍首相の日本版国家安全保障会議(NSC)と特定秘密保護法に対する執念はすごいと思わざるをえない。反対派がモタモタしているうちに、あっという間に成立させてしまう腹づもりである。野党の質問も書かれた紙を読み上げるだけで、この問題に対する危機意識がまったく感じられない。

   新聞は申し訳程度にやってはいるが、テレビは「報道ステーション」と「報道特集」がやっているだけ。もっとヒドイのが週刊誌である。わずかに「特定秘密保護法の『ずさんさ』」(『週刊朝日』11/8号)と「日本版NSC(国家安全保障会議)の大愚策 機密情報を制するのは外務省か」(『サンデー毎日』11/17号)が目につくだけである。

   サンデー毎日の記事を紹介しよう。「増長と暴走の止まらない日本と、有効な制御策」というタイトルのリポートが9月上旬(2013年)、米国防総省の中枢に届いたという。安倍首相が靖国参拝をするために周囲とどんな協議しているのか、首相官邸でどのような会話が交わされているのかが書かれているものだという。文責は国家安全保障局(NSC)と中央情報局(CIA)の連名。オバマ米大統領のプレーン機関関係者が概要をこう語っている。

<「堂々とスパイが潜り込んでいるとは思えません。何らかの手段で、通信を傍受していたとみるのが自然でしょう」>

   これは、日本の官邸で繰り広げられていた打ち合わせが、米国諜報機関に盗聴された可能性がある『衝撃証言』だというのである。

   英紙『ガーディアン』などによると、米NSAは2006年頃、同盟国を含む世界の指導者35人の電話を盗聴し、10年には80都市以上で通信を傍受していたと報じている。ドイツのメルケル首相がオバマ大統領に事の真偽を問い、オバマが「知らされてなかった」と謝罪する始末である。日本を盗聴することなど、アメリカにとっては容易いことであろう。

   アメリカの真意は、安倍首相が靖国神社へ参拝することによって、中国との関係がこれ以上悪化するのを避けたい思いがあるからであろう。サンデー毎日はこう書いている。<米国は「中・韓と同じように靖国神社を『軍国主義の象徴』と捉えている」(外務省関係者)

   10月3日、日米安全保障協議委員会のため来日したケリー氏とヘーゲル国防長官は靖国神社に見向きもせず、安倍首相と面会する前に、千鳥ヶ淵戦没者墓苑へ足を運んだ。別の外務省幹部が頭を抱える。

「参拝は事前に米国側が伝えてきた。しかし、一方的だったのでウチが止められる余地はありませんでした。安倍首相の側近からは『米国がはっきりと反対のメッセージを出してきた以上、靖国カードは当面切れなくなった。外務省の責任だ』と散々ドヤされましたよ」>

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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