無形文化遺産登録で和食離れに歯止めかかるか
検討会の会長を努めた静岡文化芸術大学の熊倉功夫学長はこう話す。
「文化というのは、われわれのように自然の中に生きている動物が、自然環境をどう自分たちの暮らしの中に取り込んでいくかにあります。食文化はその典型で、たとえばキノコにしてもほうれん草にしても菜園で作られ、旬の一番美味しい時期に食卓にのぼる。その新鮮な食材が次々出てくるのが自然の恵みですね。それが一汁三菜の盛り込まれています。食べ物と人間の関係、僕らは食べ物に対してもっと濃い関係を持っていたが、今はとても薄くなってしまった。作っている人とそれを食べる人との間にものすごいコミュニケーションがあり、その関係が濃いのが和食だと思います」
和食離れが進むなかでそれが薄くなってしまった。では、和食離れを食い止める方法はあるのか。「クローズアップ現代」で具体的な対策が聞かれなかったのが残念だったが、時間に余裕のある週末に手間ひまかけて和食に挑戦してみてはどうだろう。晩秋の今からが旬のフグに勝るとも劣らないカワハギ、白身の刺身が美味しいひらめ。野菜なら山芋、とろろご飯でスタミナをつけてるのもいい。
モンブラン
*NHKクローズアップ現代(2013年11月6日放送「日本の『心』を守りたい~和食 無形文化遺産へ~」)