国防費よりも多い治安維持費
司会の井上貴博アナ「天安門事件とは関係ないということでしょうかね」
金井辰樹(東京新聞政治部長)「関係がない方が、より深刻ですよ」
国民の不満の理由は民族問題よりも貧富の格差、役人の汚職などで、つまりは漢民族同士のあつれきで、政府にとってはより深刻だ。デモや暴動の発生件数は2011年には18万件といわれ、治安維持費が12年には約11兆円超となって、国防費を超えている。
今月9日には党中央委の全体会議がある。テロもこれにぶつけた可能性あるが、富坂は「習近平体制発足時からこの問題は最大のテーマになっています。これを乗り切れなければ国が滅びると胡錦涛がいっていた」と話す。あらためて路線闘争が始まる可能性をいう専門家もいる。
井上「事件が続くと、他の動きを誘発することもありますよね」
富坂「広がる可能性はあります。不満はたまっているが、リーダーがいないだけ」
小松成美(ノンフィクション作家)「反日につながる可能性はあるのでしょうか」
富坂「反日だと、みんな同じ気持ちで街へでてきてしまうので、中国にとってはやっかいなんです。人がたくさん街に出てくるとどこへ向かうかわからないからで、理由はなんであれ、してほしくない。自分から仕掛けることは多分ないでしょう」
なるほど。政府も必死なのだろうが、今回の犯行が組織的なのかがやっぱり気になる。これまでなかったことだ。
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト