きのう6日(2013年11月)朝、中国・山西省太源市の共産党山西省委員会本部前で連続爆発が起こり、1人が死亡、8人がけがをした。爆発はマイクロバスや植え込みで7回起こり、爆弾には殺傷力を高めるクギや鉄球が仕込んであった。テロの背景をめぐってさまざまな憶測が飛んでいる。
殺傷力高めるための釘や鉄球…市民巻き込む無差別テロ
事件現場から河賢樹記者が伝えた。最初にマイクロバスが3回の爆発し、次いで4回あったという。先月28日の天安門の事件と違って、報道の規制も緩いようだ。「この植え込みあたりに仕掛けられていた」と伝え、窓ガラスの割れたバスの映像もあった。
事件について国営放送はいっさい報じていない。外務省報道官も「調査中だ」とだけだが、新華社のサイトは現場の状況を流していた。中国版ツイッター「微博」には、鉄球や破損した車、血痕などの映像が流れた。河記者によると、現場からは電子基板も見つかったといい、遠隔操作で爆発させた計画的な犯行とみられる。だが、実行者は依然なぞだ。
天安門事件はウイグル族による「組織的なテロ」というのが中国政府の見解で、ウイグル族への締め付けが強化が伝えられるが、今回の事件について専門家は、山西省には少数民族がいない地域なので天安門の事件との関連はないのではないかという見方で一致する。
河記者は「国民は格差や腐敗への不満、民族問題を抱えている。今回の犯行がどれにあたるのかはわからないが、共産党本部を狙ったことから、背景は根深いとみられる」という。
中国に詳しいジャーナリストの富坂聡氏は「これほどの規模じゃないものは数多く起っています。なかで目立ったものが伝わってきたということでしょう。政府も押さえつける限界にきていると思います」という。