アントニオ猪木「国会抜け出し訪朝」金正恩後見人とも会談…利用されてるだけ?

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   アントニオ猪木参院議員(日本維新の会)がきのう4日(2013年11月)、自らが理事長を務めるNPO法人「スポーツ平和交流協会」の事務所を北朝鮮のピョンヤンに開いた。朝鮮中央テレビがトップで伝え、看板を掲げる猪木の映像も流れてきた。

   国会では「許可なく訪朝した」と大騒ぎだが、当の猪木が何とも思っていないらしいのが、また面白い。

会期中の海外出張の許可なし!参院は処分検討

   猪木の北朝鮮訪問は1994年以来で今回が27回目という。ただ、国会議員としては初めてになる。2日からピョンヤンに滞在していて、きのうは金永日書記らと会見、6日には金正恩第1書記の後見人といわれる張成沢国防副委員長と会うという。

   中央テレビは金色の立派なパネルを掲げる様子と合意書にサインする映像を流し、「スポーツを通じて平和に貢献したい。何年か前から提案してきょう実現した。感無量」と猪木が語っている。どう見ても日本向けだ。

   猪木の北朝鮮訪問は従来は私人としてだったが、今回は国会議員だ。国会議員が国会の会期中に海外を訪問するには国会の許可が必要となる。だが、猪木は得ていなかった。1日に羽田空港で「書類の記載の不備ということらしいんですけど、不合理というか、別にけんかすることはないけど」と言って発っていった。

   これに永田町が反応した。加藤勝信官房副長官は「国会議員も含め、北朝鮮への渡航自粛を政府は要請している」と建前をいう。みんなの党の渡辺喜美代 表は「国会侮辱罪という罪があれば、それに匹敵する。国会をなめてる」とカンカンだ。困ったのは日本維新の会で、松野頼久幹事長代行は「ルールを理解してなかったこともあるのかな」と苦しい。参院の議運委はきょう(5日)猪木の処分を検討するという。

ピョンヤンから本人が電話「拉致問題解決のサポートしたい」

   「朝ズバッ!」がピョンヤンの猪木に電話で聞いた。今回の訪朝と事務所開設を「前からの約束だからそれを守った」という。参院への説明については「知りません、そんなことは。旅の途中なので詳しいことは聞いておりません」。北朝鮮の要人と会うが、「政治活動として話をしてきます」。拉致問題に関しても話をするというが、内容については「心に留めておく。政府がやらんとしていることに水を差すつもりはない。できるならサポートに回りたい」「この硬直した状態をいつまで続けるのか、それをこちら(北朝鮮)のみなさんと腹を割って話をさせてもらう。外交は落としどころが大事ですから、そのへんは戻ってから会見します」

   猪木は北朝鮮に利用されているだけじゃないのか。共同通信客員論説委員の平井久志氏は猪木の最初の訪朝に同行し、そのときの写真を見せた。「力道山の遺品を娘さんに届けるためだったんです。翌年、プロレスをやってスポーツ交流を始め、日体大の学生の交流もあります」

   司会の井上貴博アナ「利用される懸念があるのでは?」

   平井「猪木さんは利用してくださいという態度です」

   杉尾秀哉(TBS解説委員室長)「拉致問題につながる可能性はありますかね」

   平井「直接にはないと思うが、自分なりの使命感を持っているし、政府のメッセージを伝えるパイプにはなりうるのではないでしょうか」

   一般紙ではまったく伝えられないのに、テレビでは大騒ぎというのも変な話だ。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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