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泉田新潟県知事「東電を破綻処理しても電気は止まりません。株主や金融機関の責任不問でいいのか」

   再稼働のキーマンである泉田裕彦新潟県知事もインタビューで「東電まかせではまた事故は起こる」といいきっている。泉田知事が9月25日に東電の広瀬社長と会談した翌日、柏崎刈羽原発6、7号機の再稼働に向けた安全審査を原子力規制委に申請することを認めたため、「知事は心変わりしたのではないか」と受け取った人もいるという問いに、「心変わりではなく、むしろ安全性をいかに高めるかを考えた上での決断です」と答えている。

   さらに、今の東電は知事の要求に応えることができるでしょうかという問いに対しては、「最大の問題は、東電がお金の問題で首が回らなくなって、きちんとした判断ができなくなっていることです。事故処理のために9600億円の引当金を積んでおきながら、一千億円がもったいないと言って遮水壁を造らなかった。事故処理の費用を電気料金に上乗せして返すという今の形は、もう限界にきています」

   東電の破綻処理もありうるかという質問には、「日本航空だって破綻処理をして、経営陣が責任をとった上でOBの年金もカットして、V字回復したわけです。東電は負担をすべて電気料金にかぶせていますが、株主や金融機関の責任はゼロでいいんでしょうか。破綻処理をしても電気料金という日銭が入ってくるんですから電気供給は止まりませんし、債権の見直しをすればすぐに料金を値上げする必要はありません」

   しかし、原子力規制委の田中俊一委員長に面会を申込んでいるのに、会ってくれないそうですねという問いには、「規制委に国民の命と安全と財産を本気で守るつもりがあるのか疑問です。守っているのは、電力会社の財産ではないか。規制委には地方自治に明るい人が一人もおらず、断層のチームと原発設備のチームしかいない。新潟県は中越沖地震の時に原発事故との複合災害を身をもって体験しています」

   そして最後にこういっている。「国民の皆さんは正しい情報さえ与えられれば、的確な判断ができるんです。情報を与えないで誘導するのでは、また同じ過ちを繰り返してしまう。まさに今、日本の民主主義の熟度が試されていると思います」

   そうなのだ! 今の安倍自民党政権が目指しているのは、国民に知らせたくない情報をすべて隠すことができる国にしようということなのだ。

   国民の多くが原発事故を忘れたわけではない。メディアが報じないから記憶が薄れてしまっているのだ。これだけの大事故が3年も経たずに風化していくとしたら、メディアも日本という国も最低だと私は考え憤っている。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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