ホテルのメニュー偽装をきっかけに、全国で同様のインチキがバレているが、ではどういう表示ならOKで、何がダメなのか。飲食店のメニューには原産地などの表示義務はない。ただ、素材や産地、鮮度について、具体的に虚偽があれば景品表示法に抵触する。
「朝採りレタス」朝採ってれば昨日でもおとといでもOK
たとえば、「もぎたてのフルーツ」はもぎたての定義が曖昧で、当日に収穫したものでなくてもOKという。「朝採りレタス」も同じで、前日、前々日の朝なら問題はないことになっている。すべて日本の食材で作られているのに、イタリアの国旗を飾った「イタリア風ハンバーグ」はどうか。イタリアをイメージしてあれば許されている。「旗を変えればロシア風やアメリカ風になりますね」の声に、それでもOKだという。
ならば、親父が作った「おふくろの味定食」はどうか。これもおふくろの味の根拠さえあれば通る。売れ残りの食材を処分しようと「店長おすすめの○○」としても、おすすめに変わりないという解釈だ。インドに行ったことのない日本人が日本の食材で作った「本場仕込みのインドカレー」も仕込みの定義はない。
オヤジが調理して「おふくろが作った○○定食」はダメ
まるで言葉遊びをやっているようだが、では景品表示法に抵触するケースはどんな表示か。「イタリア産食材ハンバーグ」「おふくろが作った○○定食」「インド人が作った本場仕込みのインドカレー」など、事実でない具体的な表示はNGとなる。
こうしたおためごかしの文言を作る専門のメニュー作成業者もいるという。あるメニュー作成業者は偽装問題が発覚した「先週から突然そういう相談が増えました」という。
キャスターの小倉智昭「食べる側も曖昧な表現には気をつけろということだろうが、メニューを見てそんなことを考えていたら美味しくなくなるね」