国内不満爆発寸前!平均収入が10倍も違う「上海と農村部」
中国語では、「群体性事件」というのだそうだ。集団で行う党や政府に対する抗議行為のことで、中国全土で06年に9万件だった(これだけでもすごい)が、 11年には18万件にもなった。少数民族だけではない。漢民族の間でも所得格差、役人の汚職という根深い問題がある。
中国問題に詳しいジャーナリストの富坂聡氏は「暴動はもっと多くて、年間30万件ともいわれる」という。30万件ということになれば、毎日800件以上の暴動やデモが中国のあちこちで起きているということだ。89年の天安門事件は学生らによる民主化要求のデモだったが、近年の暴動は様相が異なる。100人以上の僧侶が焼身自殺した08年のチベット暴動、ウルムチ暴動は信仰弾圧や民族差別への抗議だった。100以上の都市で起った12年の反日デモは日本に対する反発よりも、政府に対する不満のはけ口だった。発生件数のあまりの多さに、政府は2006年から暴動件数の発表をやめた。
貧富の格差も深刻だ。上海の労働者の平均年収が35万円なのに対して、農村では3万6000円。ほかにも、社会保障、義務教育、医療の格差も暴動の原因になる。最近では環境問題がある。広西チワン族自治区では、抗議デモが弾圧されると小学生がデモをした。江蘇省では昨年、1万人が庁舎・警察を襲撃している。
片山善博(慶応大教授)「文化の問題ですから、大きな版図で一律に統治しようとすればどこかに無理がでます。強権的にもなる」
その無理を漢民族の政府がわかってない。これが問題の根だ。
文
ヤンヤン