阪急阪神ホテル社長「辞任でも認めない自分の責任」従業員、担当者、納入業者が偽装

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「偽装と受け取られても仕方ない」

   阪急阪神ホテルズ系のレストランなどでメニューと異なる食材が使用されていた問題で、出﨑弘社長はきのう28日(2013年10月)の夜に開いた緊急記者会見でようやくそのように語り、11月1日(2013年)付で社長を辞任すると発表した。発覚5日目の24日には「誤表示」と強弁していたが、世間の反発に抗しきれなかった。最初からこうした対応をとっていれば印象は違ったかもしれない。

「手作りチョコソース」リキュールとクリームひと手間かけて混ぜたので手作り

   「前回の会見で謝罪の気持ちがなかったのではないかというご指摘、ご叱責につきましては、謝意を十分お伝えできなかったこと、大変申し訳なく重ねてお詫び申し上げます」と低姿勢に変わっていた。

   メニューの表示と中身が異なっていた食材は47品目あるが、うち6品目について社長自ら再調査とヒヤリングをした結果、「お客様を欺く意図を持って不当な利益を得ようとする考えはありませんでした」として、自分からは「偽装」と認めなったが、「お客さまにとりましては、その理屈は通りません。お客さんに対する裏切り行為であることにほかならず、表示を誤ったというレベルを超えており、偽装とご指摘を受けても仕方ないと思いました」と認めた。

   再調査の結果だが、「手作りチョコソース」と表示していたのはリキュールとクリームを混ぜるひと手間をもって「手作り」と称していた。九条ネギと表示しながら白ネギや青ネギを使っていたのは、添え物の野菜だったので変更を伝える必要はないと担当者が判断していた。芝エビといいながらバナメイエビを使っていたのは、担当者が芝エビは小エビの総称と認識していたからだ、などと説明した。

景品表示法「優良誤認」回避するため会社ぐるみ、上からの指示否定

   司会の羽鳥慎一「何かこう、従業員が、担当者がということが多かったですね」

   コメンテーターの舘野晴彦(『月刊ゲーテ』編集長)は厳しい感想を述べた。「久々にひどい会見をみました。言っていることが全然通ってないですよね。全部部下のせいにして、知らぬ存ぜぬはないと思います」

   羽鳥が企業問題に詳しい弁護士の永沢徹氏に聞く。「社長の説明の意図はどこにあるのでしょうか」

   永沢「聞かれた方は弁明に終始しているというイメージで受け止められと思うのですが、その背景にあるのが、景品表示法にある『優良誤認』の回避です。優良なものに誤認させるということがあったかどうかのポイントで、意図的に会社ぐるみで偽装したことになると、課徴金の制裁や業務停止など大変な問題になります。ここを踏みとどまる意味ではギリギリのところだったと見えるわけです。最初からきのうのように、意図的ではないが、偽装と思われても仕方ないと言っておけば、イメージは変わったと思います」

   舞の海秀平(元大相撲力士)「外国では謝っちゃいけないという風潮かもしれないですけど、日本には潔さや正直さの美徳があると思います。最初の会見で世間はうそつくな、許さないぞという気持ちになった。結局、損をしていますよね」

文   一ツ石| 似顔絵 池田マコト
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