全国にぜんそくに悩まされている人は約1000万人いる。世界的オペラ歌手・中島啓江さんはその喘息をれんこん治したという。6歳の時に発症し、「寝ていて発作が出ると息ができなくて、救急車で何回も運ばれました。成人になっても、歌手になっても続きました」と話す。
ある日、タクシーの運転手さんから「だまされたと思って食べ続けてみい」と言われた。それから中島さんはれんこんを食べ続け、れんこんの粉末もお湯で溶いて毎日飲み続けた。もう5年ほどになるが、ぜんそく発作はまったく出ない。「あの時にれんこんに出合っていなかったら、私はいまのように歌手を続けていられなかった」と話す。
群を抜く抗アレルギー効果
埼玉大学の和合治久教授は身近な野菜6種類(れんこん、にら、玉ねぎ、しそ、にんにく、長ねぎ)の抗アレルギー度を測定した。花粉症のマウスに投与したところ、れんこんの成分が他の食材を引き離して約40%抗体を減らした。
和合教授「花粉症患者21人にれんこんで作った錠剤を3か月飲み続けてもらったところ、6割の患者さんの症状が改善されました。れんこんは自然界のサプリメントです」
れんこんにはどんな成分が含まれているのか。寺門亞衣子アナが説明する。「3つの隠れた成分があります。一つ目はムチンです。れんこんの輪切りを割ると白い糸を引きます。これがムチンで、呼吸器や鼻の粘膜を保護する力があります。二つ目は食物繊維。整腸作用で腸とアレルギーは密接な関係があるからです。
そして三つ目がポリフェノールの抗アレルギー作用です。赤ワインなどと同じの効果で、野菜の中でポリフェノールが多いといわれるごぼうの4倍も含まれているんです」
れんこんのすりおろし汁で風邪撃退
れんこんのポリフェノールは脂肪肝も改善することもわかってきた。佐賀県工業技術センターの鶴田裕美研究員は、「古くなったれんこんは食味がまずくて、焼却処分に金も手間もかかって」という生産者の悩みをなんとか解消できないかと研究を進めた。古いなって赤味がでてきたれんこんを脂肪肝のマウスに3週間投与したところ、脂肪の濃度が62%減少した。佐賀県ではれんこんの粉末から作った健康食品を開発中だ。
茨城県のれんこん生産農家の大川ちよのさんは、ノドが痛かったり、風邪をひいたときなどに「れんこんを摺り下ろして絞って汁を飲むんです。凄く効きますよ」と言う。寺門アナが飲んでみると「あま~い」
スタジオでもれんこんの搾り汁を試飲した。井ノ原快彦キャスター「ええ、こんなに甘いの。何か白あんみたいだよね」
れんこんは恐るべきパワーの持ち主だった。
(磯G)