企業経営揺るがす大量「介護離職」時代!老親の世話で仕事続けられない

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利用者の仕事や都合に合わせる「小規模多機能型居宅介護」

   新しいサービスを目指す動きもある。「小規模多機能型居宅介護」がそのひとつだ。ある共働きの夫婦は要介護の母親を残して朝8時に出勤する。午前9時半に介護施設の職員が迎えにくる。施設は食事と入浴をさせるが、他の施設と違って、家族の都合に合わせて柔軟な利用ができる。

   たとえば、急に残業が入っても、電話1本で利用時間を延長できる。宿泊も可能で、ヘルパーの自宅訪問もできる。これらの組み合わせが24時間365 日可能なのだ。まさに理想だが課題もある。

   国の報酬は要介護度によって違う。要介護度が低い人が多いと報酬も少なくなる。施設の運営者は「要介護度が低くてもかかる人手は同じ。人件費 が6割ですから」という。施設の半数が赤字なのだ。

   他に、サービスの使い方を工夫して両立を目指す試みもある。ケアマネージャーの石山麗子さんは、「いまの制度は高齢者本人の支援が原則で、介護者のケアが不十分。家族も含めて支援しないといけない」という。石山さんは介護者に入念な介護プランを作るよう指導している。

   大介護時代を前に、2015年には育児・介護休業法の見直しがある。矢島さんは、「1回3か月となっている休業を、必要な時に分割してとれるようにする必要があります。介護者も知識をもたないと」という。

   いま50歳の人の親は大方75歳~80歳。やがてだれもが直面する現実は、何十年も前からわかっていたことではないか。足し算と引き算も満足にできない役人と近視眼の政治家をもった不幸。「倍返しだ」と怒鳴りたくなる。

ヤンヤン

NHKクローズアップ現代(2013年10月24日放送「どうする介護離職~職場を襲う『大介護時代』~」)
文   ヤンヤン
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