阪急阪神ホテルズ(本社・大阪市)が直営のレストランでメニュー表示とは異なる安い食材を使っていた問題で、出崎弘社長が記者会見し「偽装ではなく誤表示」を強調した。誤表示とするにはあまりにも矛盾が多いのに、社長は「知識不足と連携不足」によるミスだと言い張る。キャスターの小倉智昭は「あまりにも言いわけに聞こえちゃう」と呆れた。
開き直る社長「納入業者が付けた商品名で出しただけ」
トビウオの卵を使っていたのに「クラゲのレッドキャビヤ(マスの卵)添え」と表示していたことについて、社長は「納入業者が『レッドキャビア』という商品名で当社に納入してきたものです。担当者が(納入業者の)商品名をそのままメニューの名前にしました。悪意を持って高そうな商品名にし、利益ならびに商品の価値を得ようとしたわけではありません」と強弁する。粒の大きさも食感も異なる食材を料理人が間違えるはずはないし、価格も4倍の差があるのに、「担当者の知識不足」と言うわけだ。
市販のハンバーグを使っていたのに「手捏ねハンバーグ定食」と表示していたこともこういう。「当初は手ごねハンバーグで売り出していました。それを既製品の仕入れ物に入れ替えたとき、メニューをきちっとすることをぬかっていた。連携不足の最たる例と認識している」
「手作りチョコソース」実は既製品
こんな言い訳にイラだった記者から、「誤表示と思っているのか、偽装ではないと思っているのか」と聞かれると、「誤表示です。不当な利益を得ようとしてそういうことが発したわけではない」
安い食材を使いながら、すべて高級食材に表示しているのを「誤表示」とは無理がある。既製品のチョコソースを使いながら「手作りのチョコソース」と表示したことに対し、担当者は「この名前のほうが美味しく見えると、特別感が出るメニュー表示を作った」と偽装だったことを認めている。
消費者庁は景品表示法違反(優良誤認)の可能性があるとして調査を進めているが、言い訳に終始し潔さが全く感じられない社長会見だった。