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わが地元 東京・中野「住むのに適した街」と言われても…コンビニ多いだけで災害にゃ弱い

   お次に『AERA』の記事を持ってきたのは、多分に私情が入っているのでお許しいただきたい。以前にも書いたと思うが、私は東京の中野区という所に住んでいる。わが家は築50年を過ぎ老朽化甚だしい。おまけに家の前の通りは狭く、救急車は入れるが消防車は無理である。

   だいぶ前、知り合いの建築家に見せたところ、震度3か4の地震が来れば崩壊の危険大だといわれた。幸い東日本大震災のときの震度5強の揺れには何とか耐えたが、震度6~7になれば家諸共崩れ去る運命かと、半分諦めの境地である。

   だが、人間、何かにすがりたい気持ちはいつでもある。AERAの新聞広告を見て「災害に強い街15カ所」の中に中野という文字が見えたので、あわてて駅で買って読んでみた。AERAによると、本来的な意味で「住むのに適した」街とは、災害に耐えうる安全性を備え、利便性が高く、快適な暮らしができる街のことで、AERAはこれを「強い街」と名付けたという。

   評価項目は、洪水、津波の浸水域、地震による災害被害の想定域にあるか。救急車の出動から現場への到着時間。高度な救急医療を担う3次救急医療機関までの距離、コンビニ、警察が近隣にあるかなどである。対象は「リクルート住まいカンパニー」調べの「住みたい街」の関東・関西ランキング上位29か所のターミナル駅から選んだという。

   常に住みたい街の上位に上がる東京・吉祥寺は関東地区で第8位。ベスト5は意外な結果である。神奈川県・藤沢が1位。続いて新宿、恵比寿、渋谷、横浜と続く。藤沢は「医療機関へのアクセス良好に加え、地盤も軟らかくない」という理由である。新宿は交番やコンビニが多く、恵比寿はさまざまな指標が平均していいのだそうだ。

   わが街中野は堂々11位にランクインしているではないか。しかし、本文を読んでみると、中野駅周辺は災害時に大きな被害が出るとされ、危険度も高い。日本でも有数の人口密度の高い自治体で、木造密集地域が少なくなく、災害が起これば被害は拡大すると見られているとある。

   な~んだ、ちっとも安心できる地域ではなさそうだ。コンビニと医療機関の数は多そうだが、これを読んで安心する気にはなれないね。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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