台風26号が関東地方を襲っていた今月16日未明(2013年10月)、埼玉県越谷市で会社員が殺害される事件があったが、犯人は中学生の長女(13)に「お前に用はない」と言い残すなど、1週間たった今も謎の部分が多い。
目を覚ました長女に「お前に用はない」
殺害されたのは速水謙一さん(54)で、1階リビングで血だらけになって倒れているのを妻(35)が発見した。謙一さんは胸を刃物で刺されており、病院で死亡が確認された。家族は妻、長女、次女(10)の4人暮らしで、事件当時、速水さんは1階で、妻子は2階で寝ていた。
犯行後、男は2階に上がり、目を覚ました長女が声を上げたため顔を殴り、テープで手足を縛った。さらに、「何歳?」と聞き、「13歳」と答えると、「お前に用はない」と言って去った。やせ形の黒っぽい服装をした男だったという。
犯人が侵入したと見られるのは1階の和室で、携帯用ガスバーナーなどで窓ガラスを破る焼き破りという手口を使っていた。速水さんの財布は見つかっていないが、リビングは物色された跡はなく、妻の財布や通帳は残されていた。
凶器やテープを事前に用意
レポーターの所太郎が3つの謎を上げる。
(1)なぜ台風の夜の犯行だったのか
(2)長女に対して「お前に用はない」といった意味
(3)犯行の目的は何だったのか
これに対して、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏が解説する。台風については、「台風の夜というよりも、10月16日という日に殺害しようと計画していたのではないですか。気象条件よりも生活のパターンを把握したうえでの犯行と思われます」と見る。
「お前に用がない」については、「殺害だけが目的ではないというカモフラージュと思われます。犯人から見て性的暴行の対象にならないと思ったのだろう」という。犯行の目的については、「凶器やテープを事前に用意していたことから、速水さんの殺害が第一の目的だった。泥棒や強盗は怪しまれるから、凶器などを持ち歩かないものです。凶器を使うにしても、侵入してから台所の包丁を持ち出すケースが多いですね」
司会の赤江珠緒「今後の捜査のポイントはどうなるのでしょうか」
小川「面識があり、痴情怨恨の可能性が非常に強いと思います。警察は交友関係を1人ひとり当たっているのではないでしょうか」