台風27号を避けるため、伊豆大島から出る臨時の高速船が運航される。大島町村役場は希望する高齢者たちを無料で送り出す計画を立て、対象は547人だったが、島外に出ることを希望したのは80人だった。消防団員が高齢者が住む家を1軒ずつ回って聞き取り調査をしたが、多くが「希望しません。いざとなったら避難場所に逃げます」と答えた。
島外避難を希望した高田みついさん(82歳)は「足が不自由なので1人では歩けないんです。島に残れば多くの人に迷惑をかけますから」と話した。
「三原山噴火の時の全島避難辛かった」
井口成人リポーターこう伝える。「高齢者の多くの方は1986年の三原山噴火による全島避難を体験しています。そのとき避難先で体調を崩した方もいました。今回、残ると決めた方の中には島が好きだからという方もいますが、全島避難の体験から残るとした方もいます」
でも、逃げたいけど逃げられないという高齢者もいる。鈴木秀雄さんをは「胃に重い病気があります。外に出て避難先で容体が悪化したら、妻に今以上の負担や迷惑をかけることになります」と話す。
コメンテーターの宇治原史規(タレント)「避難先で体調を崩すというのは、世代に関係なく起きますよね。自治体が体調を気遣うお年寄りをもう少しフォローできないのだろうか」
萩谷順(法政大学教授)「避難先で異変が起きたら、避難先の病院は一から治療に当たることになります。それまで通院していた大島の病院から避難先の病院へカルテが移動できれば処置も早いが、現実は難しい。役場が安全な場所を確保して、島内避難でということはできなかったのだろうか」
島内にここなら絶対大丈夫というところはないということなのだろう。また、27号が襲来してからでは、容体が悪化しても搬送はできない。早めに避難してもらった方がいいと思うけど…。