なぜ遅れる?「避難勧告」…空振りで住民クレーム恐れる自治体

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「何もなかったじゃないか!どうしてくれるんだ」

   司会の赤江珠緒「これを比較してみると、総合的判断というより、自動的発令という和歌山県のタイプの方がいいのでしょうか」

   静岡大学防災総合センターの牛山素行教授は「一概には言えません。マニュアルに頼って機械的に対応してもいけないし、マニュアル的なものと現場の判断の両方が大切です」という。

   赤江「自治体が避難勧告をためらう理由はなんですか」

   牛山教授は次の3点をあげた。

(1)土砂災害の予測が困難
(2)住民からのクレーム
(3)避難所開設などの費用

   牛山「予測が難しいことも大きいのですが、空振りを恐れるということがあります。避難勧告を出したのに何もなかったじゃないか、どうしてくれるんだ、といわれるとことを懸念するということもありますね」

   司会の羽鳥慎一「判断が難しいですね」

   コメンテーターの舘野晴彦(『月刊ゲーテ』編集長)「最近の風潮はみんなクレームをつけますよね。何か弱い立場のところには必ずクレームをつけるわけだから、それはたまらないですよね。また、自治体の担当者も天気の専門家ではないから、その辺も難しいでしょうね」

   避難勧告の空振りは被害がなくて良かった思うべきだが、あまり続くとオオカミ少年という苦情が出る恐れもある。出す方も受け取る方も難しいところだ。

文   一ツ石| 似顔絵 池田マコト
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