中国東北部の黒竜江省のハルビン市できのう21日(2013年10月)から大気汚染が急激に悪化している。有害な大気汚染物質(PM2.5)の濃度の数値が「爆表」、計測機が振り切れて計測不能となったというのだ。原因は暖房の供給が始まり石炭が大量に使われたためだが、これから冬にかけて日本への影響が心配される。
ハルビン住民も呆れた「朝起きたら視界が3、4メートルしかない」
「私がいるのは反対方向車線から50メートル足らずの場所ですが、標識や警察車両が(車両灯を)点滅させている場所さえはっきり見えません」と中国中央テレビの女性記者が伝える。視界は一時50メートル以下となり、ハルビンを離着陸する国内線全便が欠航、高速道路も一時全面交通止め、小中高のすべての学校が休校となった。
映像を見ても、朝だというのにまるで夜だ。街を行く人たちはマスクをしている。住民たちも「朝起きたときの視界も3、4メートルしかありませんでした。こんなにひどいのは初めて」とさすがに驚いた様子だ。暖房開始に加え、周辺の農村でわらを燃やしたことも悪化の要因だという。
中国のエネルギー問題に詳しい帝京大学の郭四志教授は「火力発電は8割以上を石炭に依存するんです。ガソリンの品質もあまり良くなくて、排出ガスにともなって大気汚染に悪い影響を及ぼしています」と事態の深刻さを解説する。
暖房・火力発電の石炭、品質悪い自動車用ガソリン
司会の羽鳥慎一「しかし、これはひどいですね。真っ白ですよ」
赤江珠緒キャスター「全然、見通せないですね」
コメンテーターの舞の海秀平(元大相撲力士)は「中国政府は先進国も昔はこうやって出していたじゃないかという考えかもしれないですけど、これが日本に来るかと思うと恐ろしいですね」と顔をしめ、宮田佳代子(城西国際大学非常勤講師)は「もっと強い抗議をしなきゃダメですよ。急に言っても変えられないかもしれませんが、なんとかしなきゃいけないですよね」と声を強める。
舘野晴彦(『月刊ゲーテ』編集長)「国としてすごいお金を投入しようという話が出ていますが、一部に経済活動にブレーキがかかるとか、規制に反発する動きもあります。現地の人はどんな気持ちで住んでいるのか、僕ら日本人は首を傾げますよね」
宮田「あんまり危機感がないようなインタビューもよく聞きますよね」
羽鳥「知識がなくても、これはちょっとまずいよなと思いますよ。普通に歩いていても」
アナウンサーの小松靖が「WHO(世界保健機関)から発がん性があると発表され心配されるところですが、日本への影響について、国立環境研究所の主任研究員、菅田誠治さんは次のように言っています」と紹介する。それによると、「台風により週末までは日本への影響はないが。その後は注意深く観測する必要がある」とのことだ。
小松「これから冬に向かい化石燃料の使用量が増えます。もうひとつのポイントは偏西風です。いま北朝鮮の北あたりがPM2.5が多いといわれている地域です。北、あるいは北西からの風になると、日本も関係ないとはいえません。1月、2月がピークといわれています」