伊豆大島ではきのう21日(2013年10月)午前8時、40時間続いた避難勧告が解除され避難者は自宅へ戻った。不明者の捜索とがれきの除去を行っている自衛隊は、きのう500人を増派して1000人態勢になり、捜索は夜を徹して続けられているが、心配は近づきつつある2つの台風だ。27号と28号がどうやらダブル接近しそうである。
26日土曜の日本列島到達!前線刺激して大雨
台風27号は940ヘクトパスカル、最大瞬間風速65メートルと大型で、時速15キロでゆっくり北上を続けている。26日土曜日ころに本州南岸に達する予想だ。28号はそれより東にあり、規模は980ヘクトパスカルと「並」だが、北西に25キロの早さで進んでいて、予想範囲の西に寄ると27号と刺激し合って被害を大きくする心配が出てくる。
27号は2004年10月の台風23号(死者95人、不明3人)と似ているという。各地で降水量記録を更新し、バスが水没して乗客が屋根に逃れたりした台風だ。前線の活動を活発にした雨台風で、「それだけに28号と一緒になるとやっかいなことになりかねない」と気象予報士の森朗はいう。しかも、台風がどうなるかはなお一両日見ないとわからないという。
「伊豆大島」高齢者は島脱出避難
川島町長はきのう、自力避難が困難な高齢者など547人に島の外へ避難したいかどうかの聞き取り調査を行うと発表した。希望者はあす23日にチャーター船で島を離れることになるが、付き添い1人が認められるため、場合によっては1000人規模になる。
すでに島を離れる人が続いていた。年配の人が多く、「子どもが心配するから」「消防団の人が避難できる人は早い方がいいというから」という。残る人たちは泥流被害の復旧に大わらわとなっている。火山灰の泥流は普通の土石流と違ってドロの海だ。大島高校の体育館では次の台風の避難準備が進んでいた。
1000人態勢となった自衛隊は、統合任務部隊という陸海空を一元指揮する新しい態勢で捜索と復旧作業を続けている。16日の土石流で流木が川をせき止めているため、これを取り除くことに全力をあげている。その過程できのう午後、流木まじりの泥の中から不明者1人を遺体で発見した。これで死者28人となったが、なお18人が不明だ。現地指揮官は流木で重機が入れないこと、離島なので資材の輸送に手間がかかるとなど、作業の難しさをいっていた。
司会の井上貴博アナ「大島の人たちも先が読めない」