町役場も島民も認識薄かった「もろい火山灰の街」大雨吸って一気に表層崩落

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   伊豆大島の元町地区で多くの人命を飲み込んだ土石流の全容が明らかになってきた。被害を大きくした原因は大島の成り立ちそのもの、「火山灰」だった。島はもともと三原山の溶岩でできている。度重なる噴火で堅い溶岩の上に火山灰が何層にもなって積もっている。樹林帯や街はその上に乗っているにすぎない。今回崩れた元町側は約800年前の噴火の溶岩が海にまで達したところだ。その後の噴火で火山灰が2~3メートル積もっている。

秒速10メートルで三原山の斜面駆け降り

   現地を調査した東京農工大大学院の石川芳治教授は被害が大きくなった要因を3つあげた。(1)800㍉を超える雨(2)火山灰の特性(3)流木だ。火山灰は普通の雨ならむしろ水はけがよく問題はない。今回は水はけが追いつかない量の雨が降った。24時間に824㍉という雨の重みに耐えきれず、一気に表層崩壊が起こった。一部では下の固い溶岩が露出していた。

   火山灰は重量があるので土石流も速くなり遠くまで届く。破棄力は火山灰ではない土石流の2倍になるという。さらに、これに立木が加わって住宅を破壊した。石川教授は「初めは斜面崩壊だが、泥流になると秒速10メートル、時速36キロ」という。土石流は2つあった。北側は砂防堰堤でかなり食い止められたが、もうひとつの南側の流れは元町神達地区を直撃して海の近くまで達していた。

文   ヤンヤン
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