10年に1度という大型で強い台風26号は各地で大きな被害をもたらしたが、伊豆大島(東京都大島町)では大規模な土砂崩れが起こり、17日朝(2013年10月)現在で17人が死亡、39人が行方不明になっている。なぜ、こうした惨事になったのか。大雨が予想されていたにもかかわらず、避難勧告が出されていなかったが、それはなぜなのか。専門家を交え問題点を探った。
強大台風迫っているのに島外出張
レポーターの井口成人が大島町役場で「こちらに島の皆さんが避難しています。お話を聞くと、ゆうべ(15日夕)、この状態で避難さえしていれば、被害はもっと少なかったんじゃないかという声が上がっています」と伝えていた。
きのう16日未明、被害が拡大する前に地元の警察は避難勧告を出すよう町に要請したが出されなかった。当時、川島理史町長と副町長は出張中で不在だった。町長はきのう午後7時過ぎの会見でこの点について聞かれ、「夜中の1時、2時の避難勧告はさらに被害者を増やしてしまうと考えていたので、連絡がきた時も避難勧告を出せという判断はしなかった。想定外という言葉は使いたくない」と述べた。
司会の羽鳥慎一「誰もが想像を絶するような台風だったのですが、事前に何かできていれば被害を縮小できたのではないかと思いはありますよね」
コメンテーターの松尾貴史(タレント)「やっぱり、気をつけておくということに行き過ぎはないので、強い台風が来るといわれていながら、町長、副町長が島にいなかったといことは危機管理の点でどうだったのか。想定外でないというなら、何か手を打っていたのか、ということになります」
前日夕方には気象庁・東京都が「土砂災害警戒情報」「大雨警報」
羽鳥「夜中に避難勧告を出すのは難しい判断だとは思いますが」
青木理(ジャーナリスト)「ただ、前日の夕方には気象庁や都が土砂災害警戒情報や大雨警報を出している。その段階で避難してくださいとやっておけば、これほど大きな被害にはならなかったはずです。そう考えると、結果的にまずい対応だったといわなくてはならないし、ここから教訓を得ていかなくては、と思います」
防災システム研究所の山村武彦所長は「夜中の避難勧告が危険というなら、なぜ明るい昼間のうちに判断しなかったのかということになります。勧告までいかなくても、避難準備情報があり、これで注意喚起しておけば早期に自主避難した人たちがいた可能性は高いですよ」
高木美保(タレント)「避難勧告や指示を出す立場の町長がその場にいなかったことは悔やまれます」
いずれも厳しい意見だった。