やなせたかしこそアンパンマンだった!「正義を行なうことは自己犠牲なんですね」

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   子どもたちのヒーロー、アンパンマンの漫画家のやなせたかしさんが13日未明(2013年10月)、都内の病院で心不全のため亡くなった。94歳だった。おととし(2011年)に膀胱がんを患い肝臓に転移、今年8月下旬から体調を崩し入院していた。昨年7月には映画の舞台挨拶に元気な姿を見せ、「俺はまもなく死ぬんでね、せめてもう2年は生かして欲しい」と語っていたが、1年は願いが叶った。

仕事なく寒い部屋で電球にかざして生まれた「手のひらを太陽に」

   あの有名な歌『手のひらを太陽に』を42歳のときに作詞し、そのときのエピソードに手の平を透かして見たのは太陽ではなく電球だったというのがある。仕事がなく苦しい最中で、寒い作業場で凍えた手を電球にかざした時に着想が湧いたという。

   『それいけアンパンマン』がテレビアニメとして放送開始されたのは69歳のときだ。それまでの正義の味方像に疑問を持ち、新たなヒーロー像をつくった。「悪いやつをやっつけ、正義は勝ったぞで終わる。僕はすごいインチキだと思った。相手をやっつけただけじゃ解決しないんです。正義を行なうことは自己犠牲なんですね」と考え、生まれたのがお腹を空かしている人に自分の顔を分け与える格好悪いヒーローだった。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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