今年最強という台風26号があす16日朝(2013年10月)には関東地方に上陸するかもしれない。そんな台風接近を前に東京沿岸のある盲点が指摘された。防災関連学会は先週9日、太田昭宏国交相に早急に高潮対策を行うよう要望書を提出した。最も緊急を要するのは、地下鉄・地下街の包括的な対策と防潮堤の老朽化たいさくだという。
お出かけは時間遅らせて
防災関連学会のメンバーで政府の合同調査団団長を務める河田恵昭関西大教授は、「日本の高潮対策は40年前が最後です。しかし、改めて計画をやり直すと、もっと大きな高潮が起こってもおかしくないことがわかってきて、当時のものでは不十分というわけです」という。
2010年に国の防災会議が行った調査によると、高知県室戸岬付近に上陸し死者2702人、行方不明334人を出した「昭和の3大台風」のひとつである室戸台風級が上陸したら、海抜ゼロメートル地帯の江東区を中心に防潮堤は決壊し、最悪5メートル近く浸水して、JR新橋駅や品川駅周辺は完全に水の中という。
キャスターの小倉智昭「あす接近する台風はここまでのことはないかもしれないが、台風の進路はどうでしょう」
気象予報士の天達武史は、「関東南部に最接近する暴風雨のピークが16日の通勤・通学の時間帯。とくに風が猛烈で、鉄道のダイヤ混乱、道路の通行止めになる可能性があります。出勤や登校は時間を後ろにずらしたほうがいいでしょう」と呼びかけている。
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モンブラン| 似顔絵 池田マコト