押しても乗り越えられない段差…リヤカータイプ車イスなら楽々
車イスにも震災に備えたものが出てきた。車イスは「押すもの」だったのを、人力車よろしく、「引くもの」に変えるアイデアだ。脱サラして「JINNRIKI」を立ち上げた中村正善さんは、弟さんが障害者で、子どものときから車イスを押していた。車イスは障害物があると前輪を持ち上げないといけない。これがなかなかうまくいかない。そこで、テコの応用で前に長い引くためのフレーム(普段は垂直に立てておく)をつけることを考えた。簡単で軽くなり、押すより楽だった。
「リヤカーや大八車と同じです」と中村さんは話す。東日本大震災もこれに踏み切るきっかけになりました。「防災機器」として注目を集め始め、三重・南伊勢町などが採用し、NPOも効果を認めている。
実際にスタジオでやってみた。杉尾秀哉(TBS解説委員室長)が乗って三屋裕子(スポーツプロデューサー)がまず押してみたが、わずかな段差が越えらなない。そこで前のフレームを降ろして引いてみると、前輪がもち上がっていとも簡単に越えた。
「全然ちがいます。比較にならない」と三屋。
これなら後ろから助勢もできるし、物資の運搬もできるという。災害時でなくても用途は広そうである。
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト