わりなき恋だった岸恵子・小田実…ワイン飲みながらイチャイチャ
週刊新潮に私の世代なら少しは気になる話が載っている。女優・岸惠子さん(81)が書いた長編恋愛小説『わりなき恋』が売れているようだが、その岸さんと「ベトナムに平和を!市民連合」(ベ平連)の代表だった作家の小田実さんが昔『深い関係』だったというのである。コラムニストの水口義朗氏が『婦人公論』10月号に書いた一文の中にある。
2人の出会いは1971年。岸さんがフランスで小田さんの『現代史』を読んで感激し、映画化権をとるために入院中の小田さんを見舞ったのがきっかけだという。水口氏がこう話す。<「記事には書きませんでしたが、小田が『実は、岸さんと付き合っているんだ』と言うので、赤坂で一席設けたのです。その席で岸さんが甘えた声で『この前、夜中に渋谷で食べたラーメンが美味しかったわね』と言うんです。それは夜明けのコーヒーと同じですからね。2人はワインを飲みながらイチャイチャしていましたよ」>
夜中のラーメンと夜明けのコーヒーとは別物だと思うのだが、そうしたことがあったとしても不思議はないほど、小田実は女性にもてたのは事実である。私も小田さんと2人で青森の三沢へ行くとき、彼の追っかけの女性たちを見ているし、車中で女性談義を聞いている。
美男美女とまではいわないが、小田さんはなかなかキリッとした顔立ちで、話し方はやさしく、反戦の英雄であったのだから、岸さんが惚れたのもわかる。だが、小田さんの独占欲の強さに、人妻だった岸さんから離れていったのではないかと水口氏は語っている。
その時代に、私も小田さんが好きで、よく会いに出掛けていた。2人の『逢い引き』の場に居合わせたら、私は何と声をかけただろうか。反戦の闘士と美しき女優の恋。見たかったな。