イオン「中国米偽装おにぎり」なぜ見抜けなかった?業者任せの検査・産地証明でいいのか

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イオン「週刊文春」売り場から撤去!たしかに八つ当たり気味の記事だけど…

   『週刊文春』が9月29日に発覚した「イオン」のおにぎり1500万食が産地偽装され、中国産米だった問題を報じている。週刊文春としては、中国産米には<貴金属汚染・遺伝子組み換え米・農薬汚染・検査態勢の不備>などがあり、安心して食べられる代物ではないという。

   今回、中国産米を国産米と偽って大量に販売していたのは(株)三瀧商事という四日市市にある企業だ。この偽装は女社長の夫(故人)が始めたことだというから、かなり以前から行われていたようである。週刊文春は偽装を見抜けなかった「イオン」側の検査態勢にも問題があったと広報担当者を問い詰める。

<「製造業者は納入業者や卸しに対して、産地証明の提出や使用米に対する誓約書などを求めていると思います。それに加えて米に対する調査を行っているはずですが、そこで見抜けなかった」(イオン広報担当者)>

   「イオン」はもともと中国と縁が深く、中国にある店舗数は現在約50か所に上るという。2010年には全商品の8割を中国から仕入れているし、社長の弟・岡田克也衆院議員は「親中派」として知られると、中国憎くけりゃ何でも憎いと、やや八つ当たり気味と思えないでもない。

   「イオン」の買い叩きのせいで中間業者が苦しくなり、中国産を使わざるを得なくなってしまうという事情があると、四日市商工会議所の会員が話している。スーパーの安売り競争に問題の本質があり、少しでも安いものを買い漁る消費者のほうにも責任はあるはずだ。安くて、うまくて、健康にいいものがそうそうあるはずがない。小売業者にははっきり産地を表記させ、消費者が自覚を持って購入することが基本であることはいうまでもない。

   中国産でもすべてが危ないわけではないはずである。もはや中国産の食材なしには生きていけない日本なのだから、輸入業者や製造業者任せにするのではなく、安全性のチェックをする方策を考えるべきであろう。

   ちなみに「イオン」はこの号の週刊文春を全国の自社の売り場から撤去したと発表した。「イオン」は記事に対して、HP上でこうした見解を出している。「お客さまの食の安全・安心に対する不安をいたずらに助長するような報道、並びに当社に関する誤った報道は断じて容認できないものであり、発行元である株式会社文藝春秋に対して、当該雑誌の販売即時中止と回収、並びに謝罪を求めるとともに、断固たる措置をとってまいります」

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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