メール・電話の「殺す」は本気!ただちに被害者を避難させよ
ストーカー規制法そのものは刑事手続きを定めているに過ぎない。警告や命令、告訴で被害者を守れるわけではない。小早川さんは医師と患者の例を引いて、「被害者のいうことをただ聞いているだけではプロとはいえない」という。
井上「プロ?」
小早川「電話やメールのやりとりから、段階がわかります。やり直したいという時期、次に死んじゃうという時期、そして最後は『殺す』となる。こうなったら、ただちに被害者を安全なところへ移さないといけない。今回はこれに当たります。
多くは初期のところでぐじゃぐじゃいう。その段階で早期に介入していれば、あるいは別れたくなった時に相談できるところがあれば…」
吉川美代子(TBS解説委員)「自宅の周りを警察が回っても防げないのでしょうか」
小早川「24時間365日は無理です」
与良「法律の問題か、運用なのか」
小早川「殺人罪があっても殺人はなくならないですよね。ストーカーもなくならないが減らせます。相談に来た人を死なせないという、知見をもった相談員と警察の連携です」
与良「それは公的な機関としてですか」
小早川「公安委員会が認定するような犯罪支援センターのような…」
井上「いまそれがない。どうしたらいいんでしょうね」
小早川「早期の相談です。『殺す』と来たら、殺されると思わないといけない。人はどうしても楽観したがるんです」
いや明快だ。彼女はたしか逗子のストーカー事件で被害者の相談を受けていた人だ。警察が被害者の住所と結婚後の姓を見せてしまったために殺害につながったのだった。その怒りがピリピリ伝わってきた。