「女子高生殺害」加害者に接触しなかった警察の安易!留守電でかえって逆上

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   警察に相談したのになぜ防げなかったのか。ストーカー事件がまたしても最悪の結末を迎えた。事件が起きたのは、家族が警察に相談に行ったその日の夕方のことだった。対応に問題はなかったのか。

脅迫メール「殺してやる」、待ち伏せ…ストーカー最悪の危険状態

   おととい8日(2013年10月)、東京都三鷹市の私立高校3年、鈴木沙彩さん(18)が刺殺された事件で、京都市在住の元交際相手池永チャールストーマス容疑者(21)が殺人未遂の疑いで逮捕されたが、「交際をめぐるトラブルで殺そうと思った」と供述している。

   2人は2年前、フェイスブックを通じて知り合い付き合いを始めたが、昨年9月(2012年)、沙彩さんの留学を機に別れることになった。しかし、今年3月(2013年)に帰国すると、「会えないなら死んでやる」「殺してやる」などといった脅迫メールが届くようになり、6月には着信を拒否したが、最近は池永が自宅周辺をうろつくようになり恐怖を感じていたという。

   10月4日に学校を通じて杉並署に相談したところ、自宅に近い三鷹署に行くよういわれ、両親と8日午前9時ごろ三鷹署を訪れた。対応した署員は池永の携帯電話に計3回電話、署に連絡するよう留守番電話に残した。沙彩さんは署を出たあと学校に行き午後帰宅した。4時半ごろ三鷹署員が沙彩さんの携帯に電話をして無事を確認したが、その20分後に襲われた。

元警視庁警視「プロ意識の欠如。自宅まで行って話を聞くのが一般的」

   こうした事件のたびにいわれることだが、警察の対応は果して適切だったのか。ストーカー被害者を14年にわたって支援してきたNPO法人ヒューマニティ理事長の小早川明子氏は、「最も楽観的な方法で対応したんだなと感じます。殺すぞというメールが送られてきて、待ち伏せもあったのに、加害者に会うこともせず、加害者の情報もさして取ることもなく、電話だけで終わっているのはすごく安易だと思います。被害者を安全なところに隠しておいて、きちんと加害者と会うべきでした」と指摘する

   元警視庁警視の江藤史朗氏は「プロ意識の欠如が一番大きい。相談を受けた杉並警察署が三鷹署に連絡して、三鷹署の担当者は自宅まで行って話を聞くのが一般的です。加害者のことが分からない段階で警察から電話すれば、加害者が逆上する可能性は高いと思います」

   コメンテーターの玉川徹(テレビ朝日ディレクター)「ストーカーの果てに殺人というケースは何度も繰り返されています。ストーカー被害は命にかかわることだということを認識すべきです」

   司会の羽鳥慎一「警察にちゃんと対応してもらうには、どのように訴えればいいのでしょうか」

   小早川は「被害者は初めてのことなので、自分がどれくらい危険か分かっていません。警察もまだ慣れていないので期待し過ぎない方がいいでしょう。重要なのは熱情です。どうしても守ってやるんだという気持ちがあれば、被害者の自宅に行って張り込むこともできたはずです。1人ひとりの警官が胸に刻んでほしいです」と語る。そして、自分の身を守るためには、親戚の家やホテルに身を隠すことも重要だという。

文   一ツ石| 似顔絵 池田マコト
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