東京電力の福島第1原発でまた汚染水漏れがあった。今度は作業員のミスで別の配管の接続部分をはずしてしまったため、約7トンの高濃度汚染水が漏れ、6人の作業員もかぶってしまった。
事故があったのは原子炉を冷却した水を淡水化する装置で、汚染水には1リットル3400万ベクレルの放射性物質が含まれており、海へ放出できる法定放出 基準である1リットルあたり30ベクレル(ストロンチウム)の110万倍以上の濃度になる。
作業員は防護マスクと防護服にカッパを着ていたが、カッパのすき間から汚染水が入ったという。6人は除染を終えたが、被ばくは最大1.2ミリシー ベルト(β線)だった。
東電は下請けに丸投げして開き直り「現場作業員が手順通りにやってれば支障でない」
福島原発ではこのところ汚染水処理系でトラブルが続いている。先月27日(2013年9月)には浄化装置の中にゴムパッドを置き忘れるミスで装置が停止。10月にはいってからも、タンクからのオーバーフローや原子炉への注水ポンプが止まるトラブルが続いている。いずれも計算違いや操作ミスが原因だった。
東電の広瀬直己社長はきのう9日、いわき市の双葉町事務所を訪れ、トラブル続きを陳謝した。しかし、人為的ミスが続く背景には、作業員の質の問題がある。原子力規制委員会の田中俊一委員長も「避けられる事故が起こっていること事態が問題です。下請けに任せっぱなしではなく、東電がもっと前に出てほしい」と批判する。
今回の現場にも東電社員はいなかったが、東電は「作業がそのとおり行われていれば支障はなかったと思う」と開き直った。これまでもそうした丸投げでやってきたということなのだろう。