「殺すぞ!」の脅迫男に留守電…「折り返し警察に電話を」でよかったか
実際にストーカーをどう防ぐかとなると、専門家も警察に相談するしかないという。その警察が重大事案と思ってくれないと、最後は自分で守るしかない。元神奈川県警の警察官・小川泰平氏は、今回の警察の対応を「三鷹署も杉並署もマニュアル通りとはいえなかった」という。司会の井上貴博アナが「マニュアルはあるんですか」と聞く。
小川「あります。ただ、一般事件ほど多くはないので、専門の担当者はいません」
改正ストーカー規制法では、電子メールでの脅しもやっと規制の対象になった。また、被害者の自宅だけでなく容疑者の自宅周辺での監視、ストーカー行為の現場の管轄警察でも規制できるようになった。小川氏は「学校からの相談だったのだから、三鷹署のだれそれのところへとか丁寧に扱ってもよかったのでは」という。
小松成美(ノンフィクション作家)「殺すぞというメールで脅迫罪になるのでしょうか」
小川「なります。送ったのが本人と確認できれば、立件できると思います」
井上「警察が3回電話して、留守電を残したたことは影響ありますか」
小川「警察からの電話で大半のストーカーはやめるという数字があります。が、最後は性格だから…」
小川氏は過去にストーカーに電話したとき、被害者の携帯でかけたことがある。警察からとわかると今回のように電話に出ない可能性があるからだ。三鷹署の署員にそこまでの配慮があったかどうか。小川氏も「『殺すぞ』と書く人間に、『折り返し電話を』というのは…」という。
杉並署も三鷹署もストーカー犯罪そのものをたいしたことではないという認識があるのだろう。しかし、法律まで改正するのには立派な理由があるのだ。それを一線の警察官に伝えるのは組織の責任だろう。金井辰樹(東京新聞政治部長)の意見はもっとシンプルだった。「三鷹署がパトロールを1人出していれば事件は起こらなかった」