きのう8日(2013年10月)午後5時ころ東京・三鷹市の住宅街で、帰宅した女子高生・鈴木沙彩さん(18)が自宅敷地内で男に刺され出血多量で死んだ。男は間もなく逮捕されたが、鈴木さんはこの日朝、三鷹署に「ストーカー被害」を訴えたばかりだった。
「襲撃男」紫のターバン巻いて事件前から被害者宅周辺ウロウロ
事件発生時はまだ明るく、「助けて」という叫び声を聞いた近所の人たちが、逃げて路上に倒れる鈴木さんや立ち去る男を目撃していた。鈴木さんは首や腹など複数か所を刺されており、約2時間後に死亡が確認された。
事件から約1時間半後、男は約600メートル離れた路上で殺人未遂容疑で逮捕された。住所不定、職業不詳の池永・チャールス・トーマス(21)で、衣服に血が付いており、「私がやりました」と犯行を認めた。フィリピン人との混血で日本国籍だという。
鈴木さんとは知り合いだったが、どんな関係だったかは不明だ。鈴木さんにつきまとい、事件の前から自宅周辺でよく目撃されていた。いつも紫色のターバンを巻いて目立った。「中東系か」という人もいた。
鈴木さんはこの日朝、両親と一緒に三鷹署を訪れ、池永の待ち伏せについて相談していた。署員が警告のため池永の携帯電話に3回かけたが応答はなく、親子はそのまま帰っていた。三鷹署は「対応に問題がなかったかどうかを調べる」という。このセリフ、ストーカー事件で何度聞いたことか。いつも被害が出たあとだ。
「付きまとい犯罪」警察だけでは防げないということか…
鈴木さんをよく知る人は、目が大きくきれいで、明るく活発な女性だったという。タレントとして映画やドラマにも出演していた。高校1、 2年のときにカナダにホームステイをして英語が得意だった。女優を目指して芸能事務所に所属していたという。
井上貴博アナ「自宅の敷地内で待ち伏せされたら防ぎようがない。どうすればいいのでしょうね」
片山善博(慶応大教授)「警察に相談しても悲惨なことになるのが多い。他にもあると思うんですよ。とくにうまくいって、ことなきを得たような事例が出てくると参考になるんじゃないですか。事前の規制はなかなか難しい」
井上「事件になってから報じられる」
ストーカー規制法はある。「つきまとい」などを繰り返す相手に警察が警告し、従わないと禁止命令。これに違反すると1年以下の懲役または100万円以下の罰金となっている。
片山「自分のこと、後先考えずに犯行に及ぶ。罰金も刑罰も関係なくやるわけだから、必ずしも有効でないケースがありますよね」
弁護士の野村修也は「警察はもっとできたのではないかと思われがちだが、警察もつきまといだけでは手を出すのは難しい」
井上「(警察が入って)逆上することもありますしね」
野村「かえって動機を与えてしまうこともありうる」
それだと、被害者は事件が起らないよう祈るしかないのか? 起ってしまったら浮かばれない。