宮古島に隣接する下地島は青い海と空に包まれたダイビングスポットだ。癒しの島としても知られる。しかし、そこにちょっと怖い話。「大きな岩の下には人骨が埋まっている」という。
下地島は宮古島の隣、伊良部島にくっついている。住所は宮古島市になる。その島のはずれの平坦な畑の真ん中にポツンとある巨岩。高さ4メートルほど で、岩には草木が生えている。島の海岸部には奇妙な巨岩がゴロゴロしていて、その昔、「明和の大津波」が運んできたものといわれる。この岩もそのひとつと思われるのだが…。
警察「事件性なし」で始まった謎解き
この土地は昨年(2012年)、宮古島市が農地振興のために沖縄県から買い取ったもので、農地を整地していた農民が先月29日(2013年9月)、巨岩の下の空洞になった部分から白骨を見つけた。それも約30体。宮古島市でも「人骨が出るなんてはじめてです」とびっくりだ。
白骨はバラバラに散らばっていて、いまも骨の一部は残ったままだ。見たところどれも古く、警察は事件性はないというのだが、ではいったい何なのか。謎解きが始まった。
<ナゾ1>風葬した遺体
古老は「昔は穴があったら穴にそのまま遺体を押し込む風習があった」という。それが風葬だ。洞窟や崖に遺体を置き風化させる。南西諸島では一般的に行われていて、沖縄でも40年くらい前までは行われていたという。専門家は「サンゴ礁が多いから、穴が掘れなかったのでは」という。
<ナゾ2>「明和の大津波」の犠牲者
1771年4月24日、M7.4の八重山地震が発せし、八重山、宮古諸島を大津波が襲った。南西から下地島で36~39メートルの波高があったといい、1万2000人が犠牲になった。津波で海にあった巨岩が陸に押し上げられたという伝承がある。大きな岩は高さ10メートル、長さ・幅20メートル以上もあり、問題の岩も「津波岩」と呼ばれていたが、むしろ小さい方だ。津波の犠牲者を葬ったものなのか。