中高年にエイズ拡大中!週刊現代・週刊ポスト「死ぬまでセックス」煽って大丈夫かいな

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40代以上の男性4割が異性とのセックスでHIV感染

   週刊ポストは今週も「死ぬほどSEX 60歳から『現役復帰』のススメ」という特集を組んでいるが、思わぬところから矢が飛んできた。AERAが「『死ぬまでSEX』の危険」という特集を組んでいるのだ。AERAの記事を読んで青くなる中高年もいるのではないか。AREAはこう書き出す。

<エイズが若者の問題だったのは、もはや昔の話らしい。
   厚生労働省の「エイズ動向委員会」は8月30日、今年4~6月に新たに報告されたエイズ発症患者は146人で、過去最多だったと発表した。そのうち50歳以上が58人と全体の4割近くを占めた。
   ここ数年、中高年の患者が急激に増えているという>

   AERAは最近の週刊誌は「死ぬまでセックス」「60歳からのセックス」(『週刊現代』)、「死ぬほどSEX」(『週刊ポスト』)など、不倫のススメから女性を喜ばせるマッサージ術、アダルトDVDの紹介まで、これでもか!という勢いで高齢者の性を特集していることが『影響』しているのではないかと問いかける。なぜなら、<一方、今年の厚生労働白書『若者の意識を探る』によれば、18歳~39歳の未婚者を対象にした調査で、『異性の交際相手も友人もいない』と答えた男性は60.2%、女性は51.6%に上った。今なお盛んな中高年に比べ、若者は明らかに元気がない。どうやら性も高齢化が進んでいるようなのだ>

   なぜいま高齢者が性に貪欲なのか。セックスセラピストで産婦人科医の早乙女智子さんは、「高齢者の性が注目を集め始めたというより、もともとセックスに積極的だった世代が高齢になってもアクティブなまま、ということでしょう」とそっけないが、その通りであろう。

   トルコ(今のソープランド)やピンクサロンへ行くのが「男の遊び」だと、稼いだカネをせっせと注ぎ込んできた世代である。その上、今はインポになればED薬もある。「死ぬまでセックス」と考える高齢者人口は間違いなく増えてきている。

   だが、週刊誌で風俗情報が売り物にならなくなったのは「エイズ」の蔓延であった。<日本で2012年に新たに報告されたHIV感染者の内訳をみると、男性954人に対し、女性は48人と、圧倒的に男性が多い。同性との性交渉で感染したケースは724人、異性間では180人。つまり、男性同性愛者が最も多い。だが、40代以上に限ってみると、男性の4割近くが異性とのセックスで感染している>(AERA)

   国立病院機構大阪医療センターの白阪琢磨HIV/AIDS先端医療開発センター長は、中高年で発症者が急増する原因をこう指摘する。<「各地域の保健所では匿名で検査を受けられるにもかかわらず、実際に受けている人の多くが若者なんです。いくら啓発キャンペーンを行っても、エイズ発症が心配な、もっとも届いてほしい中高年層は当事者意識が薄く、危機感を抱いていない」>

   国を挙げてHIV対策に取り組む米国では、今年4月、どんな疾患であっても、 15~65歳で病院に来た患者は全員HIV検査を行うよう、政府の予防医学作業部会が勧告を出したそうだ。<「発症前であれば、1日1~3錠の投薬治療で、血液中のウィルスを検出限界以下のレベルにまで抑えることができる」(白阪センター長)>という。

   HIV感染者の実数は発表数字の何倍かになるであろう。死ぬまでSEX、70・80でも頑張れ!と煽り続けている週刊誌にとって、高齢者のHIV患者激増の記事はショックではないか。これから週刊現代、週刊ポストがどうするのか、注目したい。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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