JR北海道相次ぐ事故と異常放置「革マル系労組が元凶」ですべて片付くのか?
列車火災に脱線事故、267カ所にも及ぶレール異常の放置と不祥事が頻発するJR北海道に何が起きているのか。週刊文春、週刊新潮がともにやっているが、週刊文春はその背景には「革マル系労組」があるというのだ。JR北海道の現役中堅社員がこう話す。
<「JR北海道の異常な企業体質が生まれた背景の一つに労使関係がある。一例をあげれば、安全に関わることでも、労組の合意なしには義務化できなかったアル検(アルコール検査)問題があります。
二〇〇八年、会社はアルコール検知器を導入し、全乗務員(運転士・車掌)に乗務前に各自で検査するよう呼びかけた。ところが組合は『アル検は強制ではない』として組織的に検査を拒否。〇九年には国交省の立ち入り検査で、札幌車掌所の十二人の車掌が導入時から一貫してアル検を拒否していることが発覚しました。そして、その全員が北鉄労の組合員でした」>
北鉄労(北海道旅客鉄道労働組合)は全社員約7000人のうち管理職を除く84%が加入するJR北海道の第一組合である。11年の5月にはこんなことが起きているという。<JR北海道は石勝線で特急列車が脱線した後、火災が発生、乗客三九人が病院に搬送される事故を起こしている.。その後も、居眠り運転など不祥事が相次ぎ、国交省から事業改善命令を受けたにもかかわらず、アル検は拒否されていたのだ。そして事故の四カ月後には、中島尚俊社長が「お客様の安全を最優先にする」ということを常に考える社員になっていただきたい」と遺書を残して自殺する>
たしかに、北鉄労が所属するJR総連は、国会での警察庁警備局長答弁や政府答弁書などで、極左暴力集団である革マル派との関係が指摘されている。だが、これだけがJR北海道に不祥事が頻発する理由のすべてではなかろう。赤字体質からの脱却など、やるべきことは山ほどあるはずである。北海道に住む人たちが安心して乗ることができる鉄道にするために、労使双方が徹底的に話し合うべきである。