アメリカ「政府機能停止」悪いことばかりじゃない!?バー・レストラン割り引き

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「アメリカでは倍返しサービスも!」

   アナウンサーの高畑百合子が朝刊の気になる記事を紹介するコーナーで意味ありげに伝えたのが、朝日新聞2面(2013年10月3日付)の「米政争 重い代償」という記事だ。オバマ大統領肝入りの医療保険制度改革をめぐる議会の対立で、2014年度(13年10月~14年9月)の予算が成立せず、17年ぶりに連邦政府の機能が一部停止するという異常事態に陥っている。

予算不成立にした上下議員は「倍払い」

   「大きな混乱の一方で、面白い現象も起きているようです」と司会役のアナウンサー井上貴博が伝える。「(スミソニアン博物館や国立動物園も休園となり)観光業者からはこれでは人が来てくれないという嘆きの声が、政府職員からはわれわれの給料が人質に取られたといった恨み節が聞かれるようです。そこで、ワシントン支局の高島美穂記者に街の様子を尋ねてみました」

   高島の報告によると―、

★その1―バーではスクリュードライバーが割り引きになっている。きょうから(2013年10月3日)木曜日のコメンテーターになった荻野アンナ(作家、慶応大学教授)は「酔っぱらっていやなことを忘れたいということでしょうか」という。そうではなく、英語のSCREW UPというのは「台なし」という意味で、いま生活が台なしになっているということようだ。

★その2―レストランでは政府職員がIDを出すと割り引きになる。給料が出ていないから可哀そうということだ。

★その3―コーヒーショップに議員が現れるとどうなるか。「倍払い!」と北川正恭(早稲田大学大学院教授)が即座に答えた。その通りで、混乱の元になっている議員には2倍請求して損を取りかえし、うっぷんを晴らそうというわけだ。

★その4―イタリアンレストランにオバマ大統領が来店したら個室を無料提供する。荻野は「閣僚と相談して早くことを進めてくれ、ということ?」。これは正解。

政府・議会関係者の街・ワシントンは死活問題

   ワシントン特派員の経験のある金井辰樹(東京新聞・中日新聞政治部長)「ジョークがきいていますが、ワシントンは日本の霞が関以上に政府関係者が多いところで、政府機能の停止は死活問題。日本でも国会のねじれがありましたが、日本と違ってアメリカはガチですから、国民に影響を与えてどちらが悪いんだ、というところまで行きます。今まさにそれが始まっているところですね」

   政府職員の間ではいま卓球がはやっているという。上院と下院のラケットでピンポン玉を打ち合うことで、予算が成立しないことを互いになすりつけ合っている状況を揶揄したものだそうだ。この混乱、まだまだ長引く見通しだ。

文   一ツ石
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