「企業大儲け→賃金上昇→みんなハッピー」そんなにうまくいくのかい?
何ゆえに企業優先の経済対策となったのか。みずほ総合研究所シニアエコノミストの山本康雄氏は安倍政権の経済政策の考え方をこう解説した。「設備投資などの企業活動を活性化して企業の業績を増やし、賃金を引き上げさせる。それによって個人消費を増加させ、税収につなげるサイクルを想定しているのです。このサイクルが今回の経済対策が企業向け中心になった背景にあります」
コメンテーターの萩谷順(ジャーナリスト)はこう政府に注文した。「来年4~6月の経済指標を見て、さらに10%を判断するといっています。とんでもないと私も思いますが、問題はその先に15%、20%が視野に入っていることです。ただ、これは日本経済に対する信認を確保するという意味で避けられない道で、そうしないと年金生活者はもっとすさましい破局が襲うことになります。
個人の問題と国際経済の中で全体をどう考えるのか。政府は詳しくきちっと説明する必要があると思いますね」
それにしてもデフレ脱却し、新たな経済成長につながるかは現時点でまったくの不透明である。そんななかで、小出しではなく、予定通りの増税でうまくいくのかどうか。アベノミクスが一時的なアベノバブルで終焉する可能性もある。
文
モンブラン