コメンテーターの与良正男(毎日新聞論説委員)は「こんな文章を書き込んで平気でいられたと考えると悲しい。泣けてくる」と嘆いた。経済産業省の51歳のキャリア官僚がブログに「被災地はもともとほぼ滅んでいた東北のリアス式の過疎地。年金支給年齢をとっくに超えたじじぃとばばぁが既得権益の漁業権をむさぼるために、国民からむしり取っている。復興は不要だと正論を言わない政治家は死ねばいい」などと書き込みをしていた。
「家族が亡くなった方たくさんいるのに…。神経逆なで」
司会の井上貴博アナ「書き込まれたのは東日本大震災が起きてからの半年後の9月頃でした。書き込まれたときは匿名でしたが、その内容があまりにも酷いのでネット上で犯人捜しが始まり、このキャリア官僚の存在が浮かび上がりました」
当然ながら、被災地の人々は激しく怒っている。気仙沼の中年女性は「家族の中に津波の犠牲になった人もたくさんいます。それでも、復興のために頑張っている。そうした人たちの神経を逆なでする行為です」と話す。福島県浪江町の馬場有町長は「憤りを感じるという問題は通り越していますよ。こんな官僚が日本の行政を司っているのかと思うと情けない」と怒る。
元通産官僚の古賀茂明氏は「官僚は国会に呼ばれるなど、自分の名前が外に出るときの対応は慎重になります。でも、ネットへの書き込みなど身元が分からないところへの場合は後先を考えずに、思っていることを平気で書き込みます」と説明した。
尾崎弘之(東京工科大学教授)「今回の出来事はネット上に書き込んだということが問題視されているが、問題の本質は誰にも聞かれない場所で本音を話す官僚がまだまだいると思う。そういう官僚の感覚が問題ではないだろうか」
その本音が「被災地ざまあ見ろ」てなことだとしたら、そもそも行政マンとして失格だろう。