「お金と安全どちらを大切にする会社?」新潟県知事に突っ込まれた東電険し「原発再稼働」

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   「おたくの会社はお金と安全、どちらを大切にする会社ですか」と聞かれ、「お金です」と答える社長はいないだろう。東京電力の広瀬直己社長は新潟県の泉田裕彦知事からきのう25日(2013年9月)に改めてそう聞かれ、「当然、安全です」と答えた。柏崎刈羽原発6、7号機の1日でも早い再稼働を目指している東電は、追加の安全対策を示して再稼働申請への理解を求めたが、知事は「預かる」として回答を留保した。「安全です」といっても、そう簡単には信じてもらえないのが、今の東電の置かれた立場だ。

物別れから2か月半…フィルター付きベント設置は評価

   会談は2か月半ぶりで、前回の7月5日の会談では泉田が矢継ぎ早に質問し、途中で広瀬の発言を遮る場面もあり、最後は「どうぞお引き取り下さい」と言い渡すなど、とげとげしい雰囲気で物別れに終わった。それに比べ、きのうは安全対策としてフィルター付きベントを追加するという広瀬の提案に耳を傾け、前回は拒んだ東電の文書も受け取った。

   司会役の井上貴博アナウンサー「きのうの会談は40分でした。前回と比べてどうでしたか」

   北川正恭(早稲田大学大学院教授)は「少しは前進したんだと思いますが、泉田知事は非常に頑固なひとです。原発の問題については自分自身がかなり専門家なので、この先どうなるか、まだわからないと思いますよ」と語る。金井辰樹(東京新聞・中日新聞政治部次長)も「少しは接点が見えてきた。知事はフィルターベントの追加など新たな安全対策をある程度評価しているが、フィルターベントは原子炉の格納容器内のガス抜きをするというもので、一定程度の放射性物質が空気中に拡散する可能性があるので、近隣の住民に健康被害が出るおそれがある。知事はそこのところの安全対策を懸念しているのだと思います」と指摘する。

文   一ツ石
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