ワイドショーでも「ブラック企業」問題がしばしば取り上げられている。けさ24日(2013年9月)はブラック企業の実態として、大量に人員を採用してふるいにかけ、できないヤツは居づらくして辞めさせ、働けるヤツは働けるだけ働かせて使いつぶす――といったことが伝えられた。
辞めたくても辞めたら次の仕事ない現状
それにしても、なぜ「ブラック企業」が増えているのか、あるいはマスコミで取り上げられることが増えているのか。この点は百家争鳴。巷間、我田引水のような説もよく見るところではある。番組コメンテイターで国際ジャーナリストの竹田圭吾に言わせれば、それは解雇の「自由」や雇用の流動化が足りないせいである。「解雇がしづらいからブラック企業が跋扈しているという説明が正しい」「解雇規制を緩めて、雇用の流動化を進めなければいけない」という。雇用の流動性がないせいで、被雇用者はブラック企業でも辞めたら終わりだと思って辞められないのが、ブラックをのさばらせる一大要因なんだそうだ。
一方、研修医時代からブラックな環境に悩まされた(ている?)という医師の宋美玄は「ブラック企業叩きがブームで終わらないことを願ってやまない」と、単純に「叩き」歓迎を表明。それを聞いた司会の小倉智昭は「経営者は経営者なりに相当苦労してるんだろうと思うんですけどね」と、ウンザリ気味に引き取った。
このごろブームの「バカな(写真を撮る)若者バイト」などの叩きにはきわめて前向きな小倉であるが、ブラック企業の叩きにはまるで乗り気がしないようだ。
文
ボンド柳生| 似顔絵 池田マコト