中谷文彦アナが白やワイシャツネクタイ姿の上に奇妙なコードが付いた黒いベストを着こんで、なにやら動きがぎこちない。「いま江東区の東京ビッグサイトで行われている『国際福祉機器展』では、最新鋭の福祉機器が2万点展示されています。リフトロボット、ケアをする人が着る介護ロボット、尿吸引ロボットなど、家庭で使用できる機器が増えています」
黒のベストもその一つだった。
60%の力でできる抱き起したり移動したり…低労力ベスト
中谷が付けていた「ベスト」は低労力化のためのもので、装着すると腰が安定し、背中に付いた制御装置で前かがみや横向きの姿勢を補助してくれる。ベットに横たわる病人を抱き起したり抱いて移動する時の力が60%で済むので腰痛防止になるというわけだ。
中谷が国際福祉機器展の会場からレポートする。中谷が寝ているのは「リフトロボット」だ。ベッドの上にハンモック状の袋があり、外側の操作器具を使うと袋が持ち上がり座った状態になる。これを横に移動すれば車いすに乗ることができるというわけである。もちろん、横に寝たままでの移動もスムーズだ。
中谷「すでに6000台が売れているヒット器具があります。尿吸引ロボットです」
一見するとコーヒーメーカーのような形と大きさなのだが、「尿を感知して瞬時に吸引します」(担当者)という。専用の紙オムツの中にセンサーが付いていて、尿などの水分を感知すると水分を吸い取ってチューブでタンクに運んで溜めてしまうのだ。中谷が水分を吸い取られた後のおむつを触ったが、「まったく濡れていません。サラサラです」と驚く。
尿吸引ロボットを使っているという福岡市の尾羽根孝子さん(81)はこう話す。「夫(88)の介護を初めて8年になりますが、おしめが濡れると気持ちが悪いだろうと思って2時間おきに交換していたんです。夜も寝た気がしませんでした。でも、これを使うようになってからは自分の時間が持てるようになり、夜もぐっすり寝られます」
介護保険適用器具なので、費用は1か月のチューブやタンクなどで3000円、本体のリース料が1000円、専用紙オムツが1枚300円だ。
中谷「まだ介護保険適用になっていない器具は多いんですが、国は平成27年度に介護保険の福祉用具の見直しを行いますので、今後もっと使い易くなってゆくと思います」
どんな器具があるのか。介護で苦労している人はネットなどで調べて見るといいだろう。
(磯G)