あっぱれ中国人留学生!台風18号の淀川でおぼれる小学生救助―体にロープ巻き濁流へ

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   台風18号で増水した大阪市北区の淀川に飛び込み、溺れている小学4年生の男の子(9歳)を救助した上海出身の中国人留学生、厳俊さん(26)が生出演し、現場の土手でインタビューを受けた。

「大人として必ず助けなければならないと思いました」

   坊主頭に眼鏡をかけた実直そうな厳さんは日本語でそう語った。

「大人として必ず助けなければならないと思いました」

   台風が抜けた3日目前の16日(2013年9月)の夕方、淀川は茶色の濁流が音を立てて流れていた。河土手で友達と電車の写真を撮っていた男の子が写真を保存するSDカードを落とし、拾おうとして川に転落した。

   その時、現場を通りかかったのが日課のジョギングをしていた厳さんだった。突然、子どもの「助けて」という声を聞き、すぐさま川の中に飛び込んだ。男の子を堤防に引き上げようとしたが、流れが速くなかなかうまくいかない。先回りして助けようと一度岸に上がり、集まってきた近所の人たちに身体にロープを巻いてもらい、再度飛び込み、ようやく男の子を引き上げた。男の子は無事で、厳さんも手足に擦りキズですんだ。

   きのう18日(2013年9月)、大阪府警から「身の危険を顧みず勇猛果敢に飛び込み救助されました」と感謝状が贈られた。取材に対し「本当にありがとうございます。今回は人生の珍しい経験です。一生忘れない経験です。これからは日本の発展の経験を勉強して中国に帰って頑張ります。日中関係が良くなるために頑張り続けます」と述べていた。

   厳さんは中国の大学を卒業し、3年前に経済学を学ぶため来日、来年春から大学院の博士課程へ進むことになっている。

中国中央テレビも報道「日中が緊張している中で、人と人は同じだなと思ってもらいたい」

   司会役のアナウンサー井上貴博「言葉がストレートに届いてきます。実際にお話を聞きます」とスタジオから呼び掛ける。「おはようございます。けがはもう大丈夫ですか」

   厳「もう大丈夫です」

   井上「ご両親とは連絡取りましたか」

   厳「はい。連絡しました。私の両親は私のことを誇りに感じていました」

   井上「厳さんには日本はどう見えていますか」

   厳「日本は本当に想像より先進的な国です」

   インタビューを終えて、井上がコメンテーターの北川正恭(早稲田大学大学院教授)に聞く。「大人として命を守るのは当然だと、ああいう言葉がストレートに出てきますね」

   北川「人間力のある人なんですね。こういう人間関係が深まっていくといいですね」

   厳さんを取材するため大阪に来ていた中国中央テレビの記者も、「いま日中が緊張している中で、民間としては1人の努力から人と人は同じだなと思ってもらいたいですね」と語っていた。

文   一ツ石
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