うつむく少年の頬に執拗に平手打ちを繰り返す男性―。パチッ、パチッ、パチッという平手打ちの音とともに男性の発する「バカヤロー、ふざけんなテメェ」という怒鳴り声も聞こえる。
15日(2013年9月)に「You Tube」に投稿された映像で、平手打ちをしている男性はバレーボール強豪高で知られる私立浜松日体高校野バレーボール部の顧問を務める男性教諭(41)だ。殴られているのは部員だった。
顧問「気合い入れるために殴った」
暴行があったのは岐阜県内で行なわれた練習試合中のことで、別の部員によって撮影されたらしい。映像で見る限り、指導とはほど遠い、怒りを含んだ暴力にしか見えない。10秒間に13回も往復ビンタと繰り返していた。
平手を張られた部員はバレー部に残りたいため我慢しているのか、「気合を入れてもらった」と話している。映像には出てこなかったが、この顧問は試合中に別の部員にも平手打ちを加えていた。
当然、この高校では体罰が常態化しているのではないのかという疑問が湧く。塩澤敏隆教頭は「顧問は『気合を入れるために殴った』と話しており、生徒たちも『日常茶飯事ではない』といっている。本人たちがそう言っている以上信用するしかない」と開き直る。
生徒「体育の時間も部活の時も、普通にみんなの前で殴る」
しかし、生徒たちを取材すると、「強い部活はああいう雰囲気で、体罰があるかな・・・。体育の時間でも部活のときでも、普通に皆の前でやるんで・・・」と話す。
元サッカー日本代表の松木安太郎は「手をあげるのは指導者として間違いですよ。指導力のある人ならきちっと話をして指導する」と顧問の体罰指導を批判する。
部活の顧問による体罰が社会問題となり否定されたにもかかわらず、気ままにビンタを張る顧問教諭…。批判的な部員によって映像が投稿されたことで、13発がキツーイ倍返しとなってハネ返ってきた。