大型台風18号では先月30日(2013年8月)から運用が始まった「大雨特別警報」が京都府、滋賀、福井の3府県に発令された。京都府でその対象となったのは大きな被害を受けた嵐山を中心に約26万8000人だったが、実際に避難した住民は2498人だった。対象の1%にも満たない。「特別警報」が出ながら住民はなぜ避難しなかったのか。
防災のプロ・片田敏孝群馬大教授「命は自分で守る。情報に惑わされるな」
床上浸水の被害に遭った老婦人は「特別警報を聞いたときは、すでに家の中に泥水が多量に流れ込んでいました。私1人では逃げようがなかったんです。その後、しばらくは完全に孤立していました」とその瞬間を話す。中年男性は「突然逃げろと言われても、どこに逃げたらいいのか分からなかった。仕方なく2階に逃げた」という。
司会のみのもんたが出演自粛のため、井上貴博アナが進行役だ。「京都府に大雨警報が出されたのは15日(2013年9月)の午後19時15分でした。その後、大雨洪水警報に変わり、特別警報となりました」
群馬大学の片田敏孝教授はこう話す。片岡教授は2年半前の東日本大震災の時、岩手県釜石市で子供たちの避難をいち早く申し入れて、約3000人近くの小中学生の命を救った。「大雨警報が出された時点では、台風本体はまだ数百キロ離れた南にありました。でも、時間の経過とともに状況は悪化すると気象庁や行政も見ていたと思います。もっと、早い段階で警報を出すべきでした」
大阪市では「避難メール」文字数制限少なすぎて何度も送信
大阪市では避難情報が錯そうしていた。「朝の8時30分ころから大阪市からの避難メールが携帯に届きました。それも20分近くに6通。家族の携帯も一斉になるのでうるさくて、携帯の電源を切ってしまおうかなとまで思いました」と女性は話す。避難メールの1度の発信は15文字までという制約があった。大阪市の危機管理室・山内俊和課長は「文字数の制限で、多くの大阪市民に迷惑をかけたことを申し訳なく思っています。いま、この文字数を増やす方策を考えています」と弁明する。
片田教授「行政が発表する情報のみに頼ってはいけません。今回のように早朝に重大情報が発表される場合もあります。自分から情報・情勢を知るということが必要です」
コメンテーターの野村修也(中央大学大学院教授・弁護士)「早い段階からの情報収集は、それが外れたときにはオオカミ少年になりかねません。そこはどう考えたら良いのでしょう」
片田教授「自分の命は自分で守るという姿勢が重要です。外部からの情報は主体的に使うということを忘れないで下さい」
つまり、鵜呑みは危ないということで、その瞬間に自分が置かれている状況を自分で確認しろと言うことだろう。