台風18号は福島第1原発も直撃した。通過したすぐ東側にある原発は強い風雨にさらされた。東京電力はきのう16日(2013年9月)午後0時40分ごろ、汚染水タンクの周辺にたまった雨水を海に放出した。雨水の放射性物質の濃度は、海への排出基準(1リットルあたり30ベクレル)を下回っていたという。
囲いの7か所弁開放―放射線濃度基準ギリギリの1リットル24ベクレル
汚染水を貯蔵したタンク群の外縁にはコンクリート製の囲い(堰)がある。タンクから汚染水が漏れても外に逃さないためだが、雨水を排出する弁がある。台風の雨水がたまったため7か所の弁を開けた。この弁は以前は開けっ放しだったが、8月に見つかった300トンもの漏れた汚染水が垂れ流しだったため、以後閉めてあった。しかし、雨水がたまると新たな漏れがわからなくなるため開けたという。
その際の放射性物質の濃度は、1リットルあたり8~24ベクレルだったという。ただ、先に漏れを起こしたタンクのエリアはストロンチウムなど17万ベクレルが検出されたため、放出せず汚染水タンクに回収した。
壊れた原子炉、野ざらし使用済み核燃料プール…台風直撃されたら崩壊
司会の加藤浩次「オリンピック招致で安倍さんは『コントロールできてる』といっていたわけですが…」
香山リカ(精神科医)「原発由来のセシウムなどは計らないままに放出しています。いくら問題ないといわれても、不信感、警戒心がこれだけ強くなってると、安心ですねとはいい難いですよ」
ロバート・キャンベル(東大教授)「台風が来ることは自然現象でわかっていて予測できます。それに対する基本的な対策がなぜ先にできないのか、説明してほしいですね。もうひとつは、基準値以内だといいながら、排出した総量を発表していない。外洋に流しているのだから、このままではダメですよ」
加藤「政府は470億円を注ぎ込むという。タンクをちゃんとしないと」
キャンベル「台風が来れば雨水がたまる、溢れることはわかってるはずです」
香山「とりあえずはタンクに移さないと」
加藤は「そうです。漏れないタンクを作らないと」
昨年も台風が福島原発に接近したことがあった。その時も垂れ流しだったが、発表すらなかった。台風ならぶっ壊れたまま半分雨ざらし、あるいは応急カバーの状態にある原子炉建屋も気になるところだが、それも言及なし。メディアも聞きもしないらしい。20メートル、30メートルという風に耐えられるとはとても思えない。東電は17日午前会見して、放出した雨水は計1130トンと明らかにした)