「台風18号」踏んだり蹴ったり!竜巻に家飛ばされた直後に今度は大雨

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   台風18号はきのう16日(2013年9月)朝、愛知県豊橋に上陸して列島を縦断して各地に記録的大雨をもたらし、河川の氾濫、増水で死者3人、不明7人を出した。

   気象庁は午前5時5分、京都、滋賀、福井に特別警報を出し、「直ちに命を守る行動をとってください」と呼びかけた。台風はまだ洋上にあったが、京都ではすでに雨量200ミリを記録して、9月の1か月分が1日で降った計算だった。特別警報は自治体から午前5時40分にメールで出され、京都市では28万人、福知山市では8万人に避難指示が出された。

   午前6時半ころ、京都では桂川の水位が観光地嵐山のシンボル渡月橋を越え、一帯の旅館などが水没。福知山では由良川が氾濫したが、警報があったためか死者、不明はでなかった。

寝ていたら夜中に突然の轟音!「「2階を見たら屋根がなかった」

   気象庁が予測できなかったのが突風だ。台風がまだはるか南の海上にあったおととい15日午後2時40分、和歌山県串本町で竜巻のような現象が映像に記録されていた。民家2棟が全壊、15棟が被害を受けた。その後9時すぎには三重県志摩市でも発生した。

   さらに日付が変わって午前1時40分、埼玉・熊谷市が襲われ5棟が全壊、300棟が被害を受けた。これも竜巻のようなものだったらしい。同じ頃、 群馬県みどり市でも突風で家屋103棟とビニールハウス32棟が損傷した。夜中のことで、多くの住民は寝ていたが、突然ゴーッという音とともに屋根がはがれたり、窓ガラスが破れたり、飛んできたもので家が壊れたりした。あたりは真っ暗で何が起 こったかもわからなかったという。「2階を見たら屋根がなかった」

   なかにはリフォームを終え、荷物を運び込んでいる途中だった家もあったが、根こそぎ吹き飛ばされメチャメチャというのもあった。「もし入居していたら、どうなっていたか」

   その後始末に追われていたきのう午後、今度は台風の本体がやってきた。このときの最大風速は23.8メートル、雨量は146ミリに達した。被害を受けた家々では、雨風の防ぎようもなかった。まさに踏んだり蹴ったりだ。

台風からの温かい風が冷たい空気に衝突

   午後3時には宮城県でも突風が発生している。これらはいったい何なのか。気象予報士の武田恭明は「台風の進む前方北東側でよく発生します」という。台風から吹き込む南の温かい空気と北にある冷たい空気がぶつかって、積乱雲が発生するのだ。

   香山リカ(精神科医)「台風が来る前から注意しないといけないということでしょうか」

   ロバート・キャンベル(東大教授)「越谷の竜巻のときは猛暑が原因だったが、今回はなんなんですか」

   香山「あのときは、午後2時か3時にスーパーセルができやすいといっていたが、今回は夜中だからメカニズムが違うのでしょうね」

   キャンベル「台風は進路もわかるが、突風は予知できない」

   司会の加藤浩次「スーパーセルは温かい時にできるので、深夜は考えてなかったですよね。こういうことが起こりうるということですね。ウーム」

   メカニズムは同じだろう。上空と地上の温度差だから、前回は猛暑による地上からの熱気、今回は台風が吹き込んだ温かい風。ただ、夜中では見えない。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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