京都・嵐山の観光名所、桂川にかかる渡月橋が濁流でいまにも押し流されそうだ。周辺の観光客はボートで脱出した。同じ京都府の福知山市は、上空からみると家々はまるで泥の海に浮かぶマッチ箱のようだ。どこが川でどこが道路かわからない。きのう16日(2013年9月)、列島を縦断した台風18号は、各地にこれまでにない被害をもたらした。気象庁は先月30日(2013年8月)に運用開始されたばかりの特別警報を発令したが、効果は生かされたのだろうか。
「これまでに経験のない大雨。直ちに命を守る行動」
特別警報が出されたのは京都府、滋賀、福井県。「これまでに経験のないような大雨となっており、直ちに命を守る行動をとってください」というものだ。次男逮捕を受け出演を自粛しているみのもんたに代わり司会を務めるアナウンサーの井上貴博がコメンテーターに聞く。「嵐山のシンボルといわれる渡月橋、あの状況には驚きましたね」
杉尾秀哉(TBS解説・専門記者室長)は「私もテレビを見ていて、えっ、こんなになっているんだと。特別警報は初めて出されましたが、住民の方にうまく伝わったのか、よく検証して今後に役立てる必要があります。若干、避難が遅れたような感じがありますから」
福井出身の三屋裕子(スポーツ・プロデューサー)「福井といっても、若狭湾周辺に集中的に降ったようですね」
潟永秀一郎(『サンデー毎日』編集長)「あの局地的な豪雨がいつ東京に来てもおかしくない。もし平日に東京で降ったらどんなことになったか、他人事じゃなかったです」
特別警戒出てからの避難かえって危ない
特別警報については「おでかけ前の朝刊チェック」コーナーで各紙を取り上げながら井上が説明した。「特別警報は数十年に1度が基準になっています。特別警報が出るまでは大丈夫ではなくて、発表された時には、もうその情報は避難所で聞くというのが理想だと専門家の方はいっています。今回、京都市に限りますが、時系列で見ますと、午前5時05分に特別警報、午前5時50分に避難勧告、午前8時00分に避難指示が出されました。住民としては、この警報、指示をどう受け取ったらいいのでしょうか」
杉尾「桂川沿いの住民27万人に避難指示が出て、実際に避難所に移ったのはわずか2498人。特別警報が出てから避難所へ行く途中に何かに巻き込まれるかもしれないから、本当はもっと早く避難所に行かなければならない。警報を出すタイミングもよくよく考えないといけませんね」
三屋「特別警報の持つ本当の意味をもっとよく浸透させなくてはいけない。特別警報は本当に凄いんだと思っていないと。出たときには(避難所へ)移っているという準備をしないといけないんでしょうね」
井上「われわれ1人ひとりが想定外をなくすための想定を今からしておくことが大切ですね」